白熱のシーズンが終わった国内女子ツアー。その今季全37試合を振り返り、大会ごとに印象に残った“1シーン”を紹介する。
■ヨネックスレディス(5月31~6月2日、新潟・ヨネックスカントリークラブ、優勝:新垣比菜)
最終日、大雨が降りしきる中で4バーディ・2ボギーの「70」を記録した新垣比菜。トータル14アンダーで逃げ切り、2018年「サイバーエージェントレディス」以来となるツアー2勝目を挙げた。
大雨の厳しいコンディションの中で落ち着いたプレーを見せ、18番のウィニングパットを決めた瞬間、涙がこぼれた。キャディを務めた兄・夢蔵(むさし)さんの号泣する姿に「私もつられて涙が出てきました」と笑顔で語った。
1998年度生まれの黄金世代の一員として注目されてきた新垣。プロ1年目にツアー初優勝を挙げるも、その後はショットの調子を崩し、シード権を失う苦しい日々が続いた。今年はQTランキング13位の資格でツアー復帰を果たし、地道な努力を続けてきた。
「沖縄に帰りたいと思うこともあった」と語る新垣。スランプ脱出のために2022年から青木翔コーチに師事し、スイング改善に取り組んできた。その成果が今大会で結実し、感動的な復活劇を見せた。