ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。メリークリスマス。いよいよ今年も残りわずか。カウントダウンに入ってきましたね。今年最後のゴルフ未来会議は、先日行われたJLPGAの新人セミナーについてです。
プロゴルファーにとってゴルフは職業だと私は思っています。ですから、プロである以前に、社会人としてのふるまいや心得を見につけることはとても大切です。10代で社会人としての第一歩を踏み出す選手も少なくない中、その基本を覚えてもらうセミナーは、以前から続けて行われています。
毎年、マイナーチェンジはあると思いますが、栄養学やアンチドーピングについて、税金の基礎知識、名刺の渡し方やプロアマ、前夜祭でのゲストに対する接し方など多岐にわたります。
以前から、と言いましたが、私がプロになった頃(1989年)には新人セミナーはなく、先輩を見習ったり、自分で覚えていく、というOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)でなんとかしていました。
ゴルフの技術がなければプロテストに受かることはできません。けれども、プロゴルファーとして必要なのは、それだけではありません。まずは自分自身をしっかり保つための知識が必要です。栄養学やアンチドーピングについては基本中の基本。契約先などの社員というプロもいないことはありませんが、基本的にはほとんどが個人事業主のため、獲得した賞金や契約先から頂くお金など収入をどう扱うか、という部分も自分で知っておいたほうがいいですよね。
さらに、トーナメントに出場するなら、その仕組みやそれを支えてくれる方々のことをわかっていたほうが良いですよね。ファンへの接し方、スポンサーさんとのおつきあいの仕方なども大切なポイントです。レッスンをするときにも同様です。ありがたいことに、プロゴルファーは、普通の生活をしてたらなかなかお会いできないVIPの方と接する機会もたくさんあります。そうしたときに、子どものような振る舞いをせず、社会人としておかしくない行動をし、お話できるようにしておいたほうが好ましいですよね。
相手が知らないひとでも、自分のことをプロゴルファーだと認識している場合が多い、ということもわかっている必要があるでしょう。そういった“超”基本的なことを、新人セミナーでは伝えています。
私が理事だった頃には、時代の流れとともにSNSの扱い方などの新しい講座もできました。注目を集めれば集めるほど、自分だけでなく他の人の個人情報の扱いに気を付けて、公表する内容や言葉遣いなどもわかっていないといけないからです。
もちろん、社会人になったばかりで教えられたことがすぐにできるようになるわけではないでしょう。経験しないとわからないこともあります。私もたくさん失敗をしてきました(苦笑)。それでも、セミナーで学んだことを頭の片隅に置いておいてくれれば、自分で工夫しながら、いろいろ乗り越えて行けるのではないでしょうか。
新人セミナーを受けたみなさん、社会人としての日々は希望に満ち溢れています。ゴルフの技術や体を鍛えることの他にも、大切なことがあると理解した上で、その道を進んでいってください。心から応援しています。
さて、今年もみなさんにお読みいただいたゴルフ未来会議の2024年は、これが最後となります。来年の1回目は元日です。全米シニア女子オープンで2位という好成績を残され、大活躍の山本薫里さんとの対談から2025年の幕を開ける予定です。引き続きよろしくお願いいたします。寒い日が続きますのでご自愛の上、よいお年をお迎えください。