<リシャール・ミル ヨネックスレディス in 朝霧 事前情報◇1日◇朝霧ジャンボリーゴルフクラブ(静岡県)◇6687ヤード・パー72>
昨年の最終プロテストに合格し、今年4月に中学3年生から愛用しているヨネックスとの用具使用締結を結んだルーキー池ヶ谷瑠菜。プロになって初めてのホステス大会を迎える。
2003年生まれの19歳。川崎春花、尾関彩美悠、櫻井心那、佐藤心結らと同じ“ダイヤモンド世代”のひとりで、今季はQTランキング40位の資格でツアー前半戦を戦っている。
木曜日には自身初めてのプロアマ大会にも参加。「すごく緊張してしまって。みなさんに救っていただいて、ブービー賞を狙いにいったのかなというくらい(笑)」とプレーで貢献することはできなかったと肩を落とす。それでも「初めてで記憶に残るプロアマ。楽しかったです」と、“大役”を成し遂げて安どの表情もみせる。
ホステスプロという緊張も感じる一方で、心強い先輩の存在が大きい。同じくヨネックスと契約を結ぶ若林舞衣子、岩井明愛・千怜のツインズとともに、横に並んで写真に収まった。「お姉さんというか、信頼できる先輩プロ。可愛がってくれて、わたしも付いていく!と思えるような先輩です」という憧れの存在。初めての前夜祭では「右も左もわからない」と戸惑っている池ヶ谷に『おいで~』と声をかけてリードしてくれたという。
そんな尊敬のまなざしとともに、“再現”したい先輩の逸話もある。「千怜さんのお話を聞いて、“こういう流れでいまがあるんだ”と思ったときに、“わたしもまだ行ける!”と自信や勇気をもらった。覚悟を決められるエピソードでした」。昨年大会を暫定リランキング53位で迎えたルーキーの千怜は、リランキング突破に苦しい位置にいた。それでもこのホステス大会で優勝争いのすえ2位に入り、ランキングは25位に浮上。うれし涙とともに中盤戦出場権を確実なものとし、のちのツアー初優勝からの2週連続Vという快挙にも勢いをつけた。
現在の池ヶ谷の暫定リランキングは51位。そんな崖っぷちの状況も、千怜の姿に重なる。「いまは後半戦に出られるか出られないかの微妙な位置。お話を聞いたとき鳥肌が立って、わたしも頑張ろうと思いました」と同じような“一発逆転”も思い描かずにはいられない。
それでも謙虚に、気負わずに戦っていくつもりだ。「ホステスとして初めてですが、空回りしないように。ただチームヨネックスで、すごく良くしていただいているので、全員で上位にいけたらいいなと思っています」。記念すべき初のホステス大会は36ホールの短期決戦になることが決まったが、先輩の背中についていきながら、自身もそのひとりとして存在感を発揮していきたい。(文・笠井あかり)