＜ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント　最終日＞◇27日◇利府ゴルフ倶楽部(6,554ヤード・パー72)

　高校3年間をすごした第2の故郷での伝統のトーナメント。誰よりも勝ちたいという気持ちがウィニングパットを沈めた時に大粒の涙となってこぼれ落ちた。宮城県にある利府ゴルフ倶楽部で開催されている、国内女子ツアー「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント」の最終日。単独首位でスタートした有村智恵が上田桃子らの追撃を振り切りトータル10アンダーで今季4勝目を挙げた。

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　2日目はこの難コースを相手に他の選手も目を丸くするコースレコードタイの“65”を叩き出し首位の座を奪取。しかし、最終日は好調すぎた2日目の自分とのギャップに苦しんだ。「昨日があまりにも良すぎて、朝の練習から感触が悪かった。どうしようかと思いながらまわっていた」序盤は思うようにバーディが来ずパーセーブが続く我慢の展開。8番でようやくこの日初のバーディを奪うも続く9番でボギーと波に乗れない。それでも2位の上田が中盤ボギーが続きスコアを落とすと、15番で約5メートルのパットをねじ込み値千金のバーディを奪取。ここで勝利の流れを掴んだ有村は上がり3ホールもパーでまとめトータル10アンダーでホールアウト。17番でバーディを奪った上田の追撃を振り切り、自身5度目の勝利の美酒に酔った。

　直近の3試合はすべてトップ5に食い込みながらも勝利が遠く「良いプレーをしているのに何で勝てないんだろう」とナーバスな状態が続いていた。不安定な状態でこのトーナメントを迎える焦りもあり2、3週前から十分に眠れなくなるほど。ゴルフの調子とはうらはらに精神的には追い込まれていた。しかし、今週月曜に友人の原江里菜らと食事をしてリラックス出来たことをきっかけに復調すると、好調のゴルフとガッチリ噛みあい見事優勝。「久しぶりに楽しい食事が出来たことが良かった」思い出のトーナメントでの有村の優勝を後押ししたのは、他ならぬ同じ高校時代を過ごした同級生だった。

　東北高校の2学年先輩の宮里藍が高校3年生でこの大会を制してから6年。その姿を間近に見た有村がついに同じ舞台に立った。「道を作ってくれたのは藍先輩。あの時藍先輩がアマチュアとして優勝した事が私達につながっていると思う」偉大な先輩の背中はまだまだ遠いが、確実に近づいてきている。藍先輩に会ったらなんと言う？との質問には「なんて言うんでしょう…。6年も、かかっちゃいましたって言います」と笑顔で答えた。