熱中症が猛威を振るっている。総務省消防庁は、7月9〜15日の一週間で9956人、全国でほぼ1万人の人が熱中症により救急搬送されたと発表した。
【写真】ソフトクリーム? と思いきやハンド扇風機でした
そんな全国的な暑さの中で行われた国内女子ツアー、「サマンサタバサレディース」、そして「センチュリー21レディス」は、ともに酷暑との戦いであった。特に20日(金)から22日(日)に行われたセンチュリー21レディスは3日間とも最高気温35度以上を記録。いわゆる猛暑日の連続だった。
この記録的な暑さに選手はもちろんキャディをはじめとした関係者、そしてギャラリーも苦しんだ。練習日には、とある選手、キャディが暑さのため体調を崩して救護室に運ばれ、試合中にも選手が体調を崩して病院へ直行。またボランティアさんが熱中症で倒れ救急車がコースへと呼ばれた。そんな状況下でもトーナメントは行われた。
もちろん大会側としては、この酷暑での開催に対して何もしていないワケではない。水分補給を促すアナウンスは元より、体を冷やすためのかち割り氷の提供、炭酸水のペットボトルに装着すると霧が発生するペットボトルキャップの販売、うちわの提供など、さまざまなかたちで少しでも観戦しやすくなればと対策を練っていた。ギャラリーに対してだけでなく、クラブハウス内外に氷を置き、選手や関係者に提供した。それでもなにごともなく終われないほどの暑さだったのである。
では、この時期の他のプロスポーツはどうかと見てみると、プロ野球、そしてJリーグでは屋外開催の場合、選手並びに観客の体調面などを考慮してナイターで試合が行われることが多い。一方のゴルフは競技、そしてコースなどを考慮した結果、日が出ている状況下で行われている。
だからこそ、ナイターゴルフのトーナメントという道はないか模索してみたい。
ナイターゴルフなんてゴルフじゃない、という意見もあるだろう。「暑さのなかでも結果を出すのがプロ」という意見ももっともである。だが、「できる限り外出を避けた方がよい」と天気予報でアナウンスしているような環境は、ゴルフをやる方にも観る方にも健全とはいえないところがあるのもまた事実である。
ナイターであれば日中35度を超える暑さでも、夜には27度と過ごしやすい気温になる。ネックとなりがちなコースの明るさも、近年は照明設備にLEDを使用しているゴルフ場も多く、これまでの水銀灯照明よりも明らかに空間全体の照度が上がり、打球の行方が確認できる明るさである。グリーンの起伏などまだまだ見えづらい部分もあるが、以前よりは格段に見えやすい。何よりもやる方も観る方も快適である。日中は観戦できない人がトーナメントを見に行けるというメリットもある。ビアガーデンとくっつけてみても面白いだろう。
避暑地でやるというのも一つの手だが、30度を下回る地域と考えると北海道など開催地域はある程度固まってしまう。それならば一試合くらいはナイタートーナメントという選択肢もあるのではないか。ナイターゴルフにめっぽう強い選手が出てくれば、それは個性としてまたツアーの魅力となる。
そんなことを考えてしまうほどの暑さの中、トータル17アンダーまで伸ばして優勝した米国のアマチュア、クリスティン・ギルマンさんをはじめ、素晴らしいプレーを見せた選手たちには改めて頭が下がる思いである。かくいう私はといえば、最終日に最終組のプレーを見ていただけで、鼻血を出してしまう体たらくであった…。みなさん、暑い日が続きますが、熱中症には十分お気をつけて!(文・秋田義和)
【写真】ソフトクリーム? と思いきやハンド扇風機でした
そんな全国的な暑さの中で行われた国内女子ツアー、「サマンサタバサレディース」、そして「センチュリー21レディス」は、ともに酷暑との戦いであった。特に20日(金)から22日(日)に行われたセンチュリー21レディスは3日間とも最高気温35度以上を記録。いわゆる猛暑日の連続だった。
この記録的な暑さに選手はもちろんキャディをはじめとした関係者、そしてギャラリーも苦しんだ。練習日には、とある選手、キャディが暑さのため体調を崩して救護室に運ばれ、試合中にも選手が体調を崩して病院へ直行。またボランティアさんが熱中症で倒れ救急車がコースへと呼ばれた。そんな状況下でもトーナメントは行われた。
もちろん大会側としては、この酷暑での開催に対して何もしていないワケではない。水分補給を促すアナウンスは元より、体を冷やすためのかち割り氷の提供、炭酸水のペットボトルに装着すると霧が発生するペットボトルキャップの販売、うちわの提供など、さまざまなかたちで少しでも観戦しやすくなればと対策を練っていた。ギャラリーに対してだけでなく、クラブハウス内外に氷を置き、選手や関係者に提供した。それでもなにごともなく終われないほどの暑さだったのである。
では、この時期の他のプロスポーツはどうかと見てみると、プロ野球、そしてJリーグでは屋外開催の場合、選手並びに観客の体調面などを考慮してナイターで試合が行われることが多い。一方のゴルフは競技、そしてコースなどを考慮した結果、日が出ている状況下で行われている。
だからこそ、ナイターゴルフのトーナメントという道はないか模索してみたい。
ナイターゴルフなんてゴルフじゃない、という意見もあるだろう。「暑さのなかでも結果を出すのがプロ」という意見ももっともである。だが、「できる限り外出を避けた方がよい」と天気予報でアナウンスしているような環境は、ゴルフをやる方にも観る方にも健全とはいえないところがあるのもまた事実である。
ナイターであれば日中35度を超える暑さでも、夜には27度と過ごしやすい気温になる。ネックとなりがちなコースの明るさも、近年は照明設備にLEDを使用しているゴルフ場も多く、これまでの水銀灯照明よりも明らかに空間全体の照度が上がり、打球の行方が確認できる明るさである。グリーンの起伏などまだまだ見えづらい部分もあるが、以前よりは格段に見えやすい。何よりもやる方も観る方も快適である。日中は観戦できない人がトーナメントを見に行けるというメリットもある。ビアガーデンとくっつけてみても面白いだろう。
避暑地でやるというのも一つの手だが、30度を下回る地域と考えると北海道など開催地域はある程度固まってしまう。それならば一試合くらいはナイタートーナメントという選択肢もあるのではないか。ナイターゴルフにめっぽう強い選手が出てくれば、それは個性としてまたツアーの魅力となる。
そんなことを考えてしまうほどの暑さの中、トータル17アンダーまで伸ばして優勝した米国のアマチュア、クリスティン・ギルマンさんをはじめ、素晴らしいプレーを見せた選手たちには改めて頭が下がる思いである。かくいう私はといえば、最終日に最終組のプレーを見ていただけで、鼻血を出してしまう体たらくであった…。みなさん、暑い日が続きますが、熱中症には十分お気をつけて!(文・秋田義和)