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    大東建託・いい部屋ネットレディス

    日程 2018年7月26日-7月29日賞金総額
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    【記者の目】スロープレーへの“罰則”は必要か? 選手たちが実際に思うこと

    【記者の目】スロープレーへの“罰則”は必要か? 選手たちが実際に思うこと

    所属 ALBA Net編集部
    谷口 愛純 / Azumi Taniguchi

    配信日時:2018年7月31日 03時15分

    • JLPGA
    コース攻略のためにはプレー時間の確保も必要
    コース攻略のためにはプレー時間の確保も必要 (撮影:鈴木祥)
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    Round 4
    順位ScPLAYER
    1-14黄アルム
    1-14イ・ミニョン
    3-11安田 祐香
    3-11小祝 さくら
    5-10キム・ヘリム
    6-9フェービー・ヤオ
    7-6比嘉 真美子
    8-5上田 桃子
    8-5アン・ソンジュ
    8-5野澤 真央
    大東建託・いい部屋ネットレディス 最終日◇29日◇鳴沢ゴルフ倶楽部(6,685ヤード・パー72)>

    最近では、ゴルフの試合が生中継されることも増えてきたが、試合の決着がつく前に番組が切り替わってしまう…。そんな経験はないだろうか。プレーがはやまれば、最後までテレビで試合を楽しむことができるのに。先日、このプレースピードについての“罰則”が、選手ミーティングで議題に挙がった。

    【写真】慎重な姿勢も必要…プレー中、真剣な表情の選手たち

    これまでは、プレーの進行が規定を超えて遅い組にイエローカードが出された後、個人の1打に要する時間が計測される。一度目の計測が所定時間を超えると警告、2回目の計測で改善されない場合は1罰打、3回目で2罰打、4回目で競技失格となるのが現行のルールだ。

    多いときでは、1試合当たり4〜5回、組に対してのイエローが出ている。ただ、このイエローカードをたびたび出されても改善しない選手が見られるため、イエローが多かった選手に対し、講習会を受けるなどの“罰則”を用意してはどうかという具体的な話が出た。

    プレーファストに重きを置いた新ルールの提案だが、実際、スロープレーに対して選手たちはどう感じているのか。

    「はやい選手が、遅い選手のカバーをするのはフェアではない」と語るのは、10年以上のキャリアをもつベテランプロ。ツアーで長年戦ってきたこの選手は、選手たちの意識の変化を感じ取っている。「今の若い選手は、はやい選手と遅い選手が両極端。アマチュアの子たちにも参考にしてほしいですし、プロになって、先輩たちに迷惑をかけないというのは若い子たちにとって大事なこと」。自分自身も、プレーが遅いときは先輩たちから叱られてきた。

    実際、今回の「大東建託・いい部屋ネットレディス」でも、トーナメントに慣れないアマチュアとのラウンドに苦戦した選手がいた。「初めてだったので仕方がないですが、単純に歩くスピードが遅かったりもした」。アマチュア選手が一番先に打たなければいけない状況で、アマチュア選手がかなりの時間を要した。計算して打ち終わる頃には、同組の控えている選手がしびれを切らして待っている。そんなことも度々あった。「協会に言って、注意してもらいました。持ち時間が同じなのに、一緒に回っている人が遅いから走らないといけない。前の組が遅いと、後ろの組も急がないといけないのは、イヤですね」。誰か1人が遅ければ、当然同組の選手のペースは乱される。それを考えれば、改善されない個人への、なにかしらの対処は必要だ。

    「プレーがはやまれば、今は108人しか出られない出場枠が、120人になるかもしれない。そうすれば、多くの選手にチャンスが増える」とプレーファストのメリットを語るのは、自身もプレースピードがはやい中堅プロ。午前組の真ん中でスタートした際には、1ラウンドの予定時間が4時間45分だったところを、23分縮めて4時間22分でホールアウト。

    スタート時間がはやければ、前の組がいないぶんペースがはやまる傾向にあるが、この選手が1組目でティオフした日には、35分縮めてラウンドしたこともあった。「自分が走っても、走ってくれない人もいる。だからイエローは個人の方がいいと思います」と口にしたが、こういった意識を常に持っているからこそのスピードなのかもしれない。

    サクサク進む組がある一方、当然遅れる組もある。2日目、ある組が予定より1分遅れでホールアウトしたが、その後の組からどんどん遅れ、最終組は15分遅れでフィニッシュ。1組遅くなれば、後の組も準じて遅くなってしまう。

    プレーファストはツアーにとっても、選手にとっても重要なのは確か。ただ、それにとらわれすぎるのも問題だ。ある若手選手が「他の人がパッティングしているときに、次のティグラウンドに行ってしまうと、それはそれで失礼。難しいですよね」と口にするように、時間の調整のしかたに悩む選手もいる。

    なにより、スポーツ選手として“プレー時間を確保する権利”も担保されなければならない。プレーファストに賛同しつつも、「どうしても、難しいセッティングになると厳しいかなと。競技委員に急いでくださいと言われたりもします。初日も1度ありました」と戸惑う声も。この選手の組は、初日に前の組が予定より10分はやくラウンドしていたが、自身の組はプレーが遅延。前の組とは21分差でホールアウトと、差が開いてしまった。

    厳しいセッティングや、本大会のように天候が荒れた場合、多くのギャラリーに囲まれる中でのプレーやホール間の移動など、様々な状況が生じる中で対応していくには、ある程度時間をかけることも必要だ。

    海外ツアーを知る選手は、日本と海外との違いを挙げる。「アメリカのツアーでは、プレーが遅いと判断されたらまず理由を聞かれます」。遅延の原因を確認し、ハザードやドロップなど、何かしらの理由があれば考慮されることもある。「協会の考えももちろんわかりますが、選手たちもプレーは慎重になる。お互いに理解できる流れで、進めていければと思います」と語る。必要なのは、罰則だけではなく改善策。制限時間を設けて規制するのと同時に、どうしたら効率よく進めていけるのかを提示していく必要がありそうだ。(文・谷口愛純)
    大東建託・いい部屋ネットレディス 最終日◇29日◇鳴沢ゴルフ倶楽部(6,685ヤード・パー72)>

    最近では、ゴルフの試合が生中継されることも増えてきたが、試合の決着がつく前に番組が切り替わってしまう…。そんな経験はないだろうか。プレーがはやまれば、最後までテレビで試合を楽しむことができるのに。先日、このプレースピードについての“罰則”が、選手ミーティングで議題に挙がった。

    【写真】慎重な姿勢も必要…プレー中、真剣な表情の選手たち

    これまでは、プレーの進行が規定を超えて遅い組にイエローカードが出された後、個人の1打に要する時間が計測される。一度目の計測が所定時間を超えると警告、2回目の計測で改善されない場合は1罰打、3回目で2罰打、4回目で競技失格となるのが現行のルールだ。

    多いときでは、1試合当たり4〜5回、組に対してのイエローが出ている。ただ、このイエローカードをたびたび出されても改善しない選手が見られるため、イエローが多かった選手に対し、講習会を受けるなどの“罰則”を用意してはどうかという具体的な話が出た。

    プレーファストに重きを置いた新ルールの提案だが、実際、スロープレーに対して選手たちはどう感じているのか。

    「はやい選手が、遅い選手のカバーをするのはフェアではない」と語るのは、10年以上のキャリアをもつベテランプロ。ツアーで長年戦ってきたこの選手は、選手たちの意識の変化を感じ取っている。「今の若い選手は、はやい選手と遅い選手が両極端。アマチュアの子たちにも参考にしてほしいですし、プロになって、先輩たちに迷惑をかけないというのは若い子たちにとって大事なこと」。自分自身も、プレーが遅いときは先輩たちから叱られてきた。

    実際、今回の「大東建託・いい部屋ネットレディス」でも、トーナメントに慣れないアマチュアとのラウンドに苦戦した選手がいた。「初めてだったので仕方がないですが、単純に歩くスピードが遅かったりもした」。アマチュア選手が一番先に打たなければいけない状況で、アマチュア選手がかなりの時間を要した。計算して打ち終わる頃には、同組の控えている選手がしびれを切らして待っている。そんなことも度々あった。「協会に言って、注意してもらいました。持ち時間が同じなのに、一緒に回っている人が遅いから走らないといけない。前の組が遅いと、後ろの組も急がないといけないのは、イヤですね」。誰か1人が遅ければ、当然同組の選手のペースは乱される。それを考えれば、改善されない個人への、なにかしらの対処は必要だ。

    「プレーがはやまれば、今は108人しか出られない出場枠が、120人になるかもしれない。そうすれば、多くの選手にチャンスが増える」とプレーファストのメリットを語るのは、自身もプレースピードがはやい中堅プロ。午前組の真ん中でスタートした際には、1ラウンドの予定時間が4時間45分だったところを、23分縮めて4時間22分でホールアウト。

    スタート時間がはやければ、前の組がいないぶんペースがはやまる傾向にあるが、この選手が1組目でティオフした日には、35分縮めてラウンドしたこともあった。「自分が走っても、走ってくれない人もいる。だからイエローは個人の方がいいと思います」と口にしたが、こういった意識を常に持っているからこそのスピードなのかもしれない。

    サクサク進む組がある一方、当然遅れる組もある。2日目、ある組が予定より1分遅れでホールアウトしたが、その後の組からどんどん遅れ、最終組は15分遅れでフィニッシュ。1組遅くなれば、後の組も準じて遅くなってしまう。

    プレーファストはツアーにとっても、選手にとっても重要なのは確か。ただ、それにとらわれすぎるのも問題だ。ある若手選手が「他の人がパッティングしているときに、次のティグラウンドに行ってしまうと、それはそれで失礼。難しいですよね」と口にするように、時間の調整のしかたに悩む選手もいる。

    なにより、スポーツ選手として“プレー時間を確保する権利”も担保されなければならない。プレーファストに賛同しつつも、「どうしても、難しいセッティングになると厳しいかなと。競技委員に急いでくださいと言われたりもします。初日も1度ありました」と戸惑う声も。この選手の組は、初日に前の組が予定より10分はやくラウンドしていたが、自身の組はプレーが遅延。前の組とは21分差でホールアウトと、差が開いてしまった。

    厳しいセッティングや、本大会のように天候が荒れた場合、多くのギャラリーに囲まれる中でのプレーやホール間の移動など、様々な状況が生じる中で対応していくには、ある程度時間をかけることも必要だ。

    海外ツアーを知る選手は、日本と海外との違いを挙げる。「アメリカのツアーでは、プレーが遅いと判断されたらまず理由を聞かれます」。遅延の原因を確認し、ハザードやドロップなど、何かしらの理由があれば考慮されることもある。「協会の考えももちろんわかりますが、選手たちもプレーは慎重になる。お互いに理解できる流れで、進めていければと思います」と語る。必要なのは、罰則だけではなく改善策。制限時間を設けて規制するのと同時に、どうしたら効率よく進めていけるのかを提示していく必要がありそうだ。(文・谷口愛純)

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