＜ブリヂストンレディス　３日目◇20日◇中京ゴルフ倶楽部 石野コース（愛知県）◇6573ヤード・パー71＞

昨季は2位が2回、3位が3回、勝てそうで勝てなかった菅沼菜々にチャンス到来だ。13位タイからのスタートとなった第3ラウンドにボギーなし、6バーディの「65」と大きくスコアを伸ばし、トータル8アンダーの4位タイに浮上。首位の山下美夢有を4打差の射程圏にとらえて最終日を迎える。

開幕前日の17日にはバンテリンドームで行われたプロ野球の中日ｰ阪神戦の始球式に登場。推しの中日・高橋周平選手との写真撮影にも成功し、大満足の菅沼だったが、本当は今週、もう一つ行きたかった場所がある。同じドームでもこちらは東京ドーム。17、18日に行われた乃木坂46・齋藤飛鳥の卒業公演だ。トーナメントで愛知にいることを考えれば、土台無理な話だが、この話題を振ると「超行きたかった。あしゅりん（齋藤飛鳥）超かわいい」と悲鳴のような声を上げる。トーナメント期間中で時間も限られているため、今回はインターネットのライブ配信でほんの一部を視聴しただけだった。

本人曰く「初日の暑さで」、2日目までは体調万全とはいかなかったが、第2ラウンドがサスペンデッドとなったため、すでにホールアウトしていた菅沼の3日目は午後12時20分と遅いスタート。卒業公演に行けなかったショックも体調不良の一因になっているような気もするが、これで休養十分、コンディションを整えて、第3ラウンドを迎えた。

出だしから7番まですべてパーが続いたが「スタート前の練習でいい感じだったので、どこかで、と思っていました」と我慢のプレーを継続。前半のバーディは7番の1つだけだったが、後半はその“どこか”が訪れたのかバーディラッシュ。11、12番、15、16番で2度の連続バーディを奪うと、最終18番パー4では残り138ヤードからの2打目を2メートルにつけ、この日6個目のバーディで締めくくった。

今シーズンはここまで昨季ほどの勢いを見せられていないが「ワールドレディス・サロンパスカップで予選落ちしてからスイングを変えました。一番はクラブの上げ方。見た目では分からないと思うけど、私の中では大きく変えたので怖いんですけど、だいぶ良くなってきました」と手ごたえアリ。ドームで笑って、ドーム公演を悔やんだ一週間。最後は本業のゴルフで初優勝を果たし、うれし涙と笑顔で終わりたい。（文・田中宏治）