<宮里藍 サントリーレディス 初日◇6日◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇ 6545ヤード・パー72>
国内女子ツアーは六甲国際GCを舞台に「宮里藍 サントリーレディス」が行われる。大会の成績上位者、そして大会終了後のメルセデス・ランキング上位者には海外メジャー「AIG女子オープン」(全英)の出場権が与えられるというビッグトーナメント。青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める大西翔太氏が、その展望をトーナメント会場から紹介する。
全米の“熱気”&全英への“熱意”は止まらない! 六甲攻略のカギはパワーフェード【大西翔太のSHOWTIME】
青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める大西翔太氏が、大会の展望を語った。
配信日時:2024年6月5日 23時00分
<宮里藍 サントリーレディス 初日◇6日◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇ 6545ヤード・パー72>
国内女子ツアーは六甲国際GCを舞台に「宮里藍 サントリーレディス」が行われる。大会の成績上位者、そして大会終了後のメルセデス・ランキング上位者には海外メジャー「AIG女子オープン」(全英)の出場権が与えられるというビッグトーナメント。青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める大西翔太氏が、その展望をトーナメント会場から紹介する。
■メジャー帰りの選手たちとあふれる活気
先週の米国では海外メジャー「全米女子オープン」が行われ、日本ツアーを主戦場にする選手たちも多く海を渡った。米ツアー組も合わせて21人が出場すると、過去最多の14人が決勝へ。そして笹生優花が快挙となる大会2勝目を飾った。渋野日向子が2位でメジャー史上初のワンツーフィニッシュを果たし、トップ10には5人がランクインした。
この日本勢の活躍は、今週のツアー会場でも話題のひとつになっている。「間違いなく、熱気がありますね。日本のレベルが年々上がって、通用するプレーヤーが増えているというのが今回の象徴でした。日本ゴルフ界に革命が起きています」と、大西氏も言葉に力を込める。
その試合結果は選手に刺激を与えているはずだ。そして今週は、全英の切符もかかる一戦。その舞台は「誰もが知っている」というゴルフの聖地、セント・アンドリュースであることも、気合がさらに増す理由にもなる。「1位と2位を目指して、切磋琢磨をして心を燃やしてもらいたい。ボールに魂を乗せて、4日間最後まで戦ってほしいですね」と、文字通り“熱い”戦いになることを期待した。
■一方で、コースの状態は…
昨年大会は、岩井千怜がこれまでの大会記録を6打更新するトータル23アンダーで優勝を果たした。だが、「今年はグリーンのコンパクションが硬め」と、大西氏は印象を語った。そして、大会アンバサダーでコースセッティングも務める宮里藍は、開幕前日の会見で、「グリーン上もスピードも出ていて、昨年よりもさらにいい状態になっていると思う。そういう中で、バーディ合戦が見られるのか楽しみです」と話している。
打ち上げのホールも少なくなく、グリーンも硬くなるのであれば、グリーンを狙うショットでボールを止める力が必要になる。「ドローボール系だと奥まで転がってしまうような感じ。カットボール(フェード)を持ち球としているほうが強いかもしれません。球のバリエーションが試されるセッティングになっています」。
■好調のフェードヒッターと言えばこの3人
フェードヒッターのなかで、まず優勝候補筆頭に挙げたのが小祝さくら。全米女子オープンでは優勝争いに加わり、9位に入った。「海外で学んだことを、形として出すんじゃないかなと思います。先週の全米を観ていても、調子が良さそうでした。全米で優勝する可能性もあったくらい、いい状態にあるので、今回も上位に来るのは間違いがないでしょう」と太鼓判を押す。
気になる時差ボケについても、問題ナシと考えられそう。「なんといっても、小祝選手は“休まない”。体力勝負は持ってこいですから、全米から帰ってきたばかりでも、力を発揮できる選手です」。プロテスト合格翌年の2018年開幕戦から日米ツアーを合わせて“皆勤”を続ける鉄人に注目する。
そして2人目に挙げたのは、2週前の「リゾートトラスト レディス」で最終日を単独首位で迎えた金澤志奈。スコアを落とし最終結果は3位タイだったが、期待される“初優勝”は目前だと見ている。「そろそろ、初優勝の順番が来ていますし、それは本人も思っているはず。カットボールが得意で、コースとの相性もマッチしていると思います」。先週大会は出場せず、リフレッシュした気持ちとともに六甲に乗り込んだ。リベンジに燃えているだろう。
ディフェンディングチャンピオンの岩井も注目選手として推す。「全米では手こずっていた部分もありましたが、いいゴルフをしていました。自分の実力を再確認できて、“やってやるぞ”という気持ちが伝わってくる。明愛選手も一緒に、世界へ羽ばたいていくために、海外メジャーとの連携が取れているこの大会で、力を発揮していくと思います」。今週の六甲では、さらにレベルの高い戦いが繰り広げられそうだ。
■最後にひとつ!
大西氏が最後にひとつ、アピールする。「この全米を機に、ワールドランクのポイント反映の仕方を、変えてくれたりしたらいいですよね。JLPGAも海外を見据えて、ルールなどを変えているところもあると思います。日本ツアーのレベルの高さを知ってもらって、よりポイントが大きくなったら、ここから世界を目指せる選手もより増えてくると思います」。日本ツアーは米国ツアーに続いて世界2番手のビッグフィールドになっているが、さらなる飛躍に期待を込めた。
解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。
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