<ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ 初日◇6日◇真駒内カントリークラブ 空沼コース(北海道)◇6420ヤード・パー72>
昨年ステップ・アップ・ツアーで初優勝を飾った25歳の篠崎愛(しのざき・まな)が5バーディ・4ボギーの「71」で回り、1アンダーの13位タイと好スタートを切った。前半戦はマンデーからの2試合のみの出場だったが、「フジサンケイレディス」48位タイ、「宮里藍サントリーレディス」18位タイの成績でリランキング47位に浮上。第2回リランキングを見据え、今大会でも好成績を狙う。
強い雨と風の中、スタートした篠崎は1番をいきなりのボギーとしたものの、3番で5メートルを沈めて取り戻すと、5、6番で連続バーディ。終盤の16番パー4では残り145ヤードから7Iで3メートル、17番パー3ではユーティリティで2メートルにつけ、再び連続バーディを奪った。
最終18番はカラーからの15メートルをパターで大きくショート。「キャディさんと『オーバーしてもいいよね』と話していたのに、その先の下りにビビりました」。実質3パットのボギーだったが、5バーディで作った貯金があるだけに、苦笑いで振り返る余裕があった。
QTランキング81位から始まったシーズンとあって「リランキングで上がれるとは考えていなくて、今年は1年間ステップアップツアーだなと思っていました」。サントリーレディスでの18位タイはレギュラーツアーでのベストフィニッシュ。「相性のいいコースで(ポイントが高い)4日間大会で、パットも良く入ってくれて、本当にたまたまです」と謙遜するが、数少ないチャンスをものにする勝負強さは見事なもの。リランキング47位は4日間大会であれば、十分に出場が見込めるポジションだ。
2021年6月に行われた2020年度のプロテストに5度目の挑戦で合格。「最初はレギュラーツアーに出ても、頑張って予選を通れるかどうかだったんですけど、今はもうちょっと上も目指せるゴルフができていると思います。牛歩なんですけど、毎年少しずつレベルアップできているのかな」。
今季はレギュラー4試合で予選落ちなし。ステップでも8試合で予選落ちが1回と安定した成績を残している。学年では黄金世代の1つ上。プロテストの同期ではすでに岩井姉妹(明愛、千怜)が大活躍しているが、篠崎は焦ることなく、自分のペースで上を目指し続けている。
そんな篠崎の活力源は、自宅で飼っている2匹の猫。「父が毎日、朝と夕方に動画送ってくれるので『かわいい~』って言いながら見ています」。知人が保護した野良猫の赤ちゃんの引き取り手を探していたことが、飼い始めたきっかけ。家族にはプロテスト合格を条件に飼うことを認めてもらい、合格後に無事に引き取ることができた。
「名前はプロテスト合格という福を運んできてくれたので『ふく』ちゃんと、プロテストの会場だった静ヒルズにちなんで『しず』ちゃんです」。今週は2匹がさらなる福を運んできてくれるかもしれない。(文・田中宏治)