白熱のシーズンが終わった国内女子ツアー。その今季全37試合を振り返り、大会ごとに印象に残った“1シーン”を紹介する。
■アース・モンダミンカップ(6月20~23日、千葉・カメリアヒルズカントリークラブ、優勝:小祝さくら)
賞金総額3億円、優勝賞金5400万円のビッグトーナメントは、悪天候の影響でツアー史上4度目の月曜決戦となった。最終18番ホールでは、小祝さくらが2メートルのバーディパットを沈めて優勝を決めたのだが、その瞬間、控えめながら右手を軽く上げてガッツポーズ。いつもクールな彼女らしからぬリアクションには、実はちょっとした裏話があった。
これまで小祝の優勝後といえば、普段と変わらない落ち着いた仕草が定番。しかし今回は、ラウンド中に小畑貴宏キャディから「盛り上げるためにガッツポーズをしようよ」と提案されたことで、小祝なりの“初ガッツポーズ”が生まれた。
試合後、小祝はその出来栄えについて「意外といい感じでした」と笑顔でコメント。迷いながらも「精いっぱい喜びを表現した」というその姿には、ギャラリーからも思わず温かい拍手が送られた。
この日のギャラリー数は、予備日開催の影響でわずか362人。ツアー史上最少という特別な状況で目撃された“ガッツポーズ”は、まさに貴重な瞬間だった。