「盛り上がっていく準備できていますか？　それでは、スタートー！」。2月1日、女子プロゴルファー臼井麗香と菅沼菜々のアイドルユニット『Chell7』（ちぇるなな）が、都内の日暮里サニーホールで初ライブを開催した。

定員500人の会場はほぼ満席。そのなかには勝みなみや堀琴音らの“女子プロオタク軍団”の姿もあり、二人のトークショーや歌って踊る姿に、会場は大盛り上がりとなった。

記念すべき1曲目はフィンガー5の名曲『学園天国』。セーラー服姿の二人が「Are you ready!?」の掛け声とともに登場すると、ファンは大きな声で合いの手を入れるなど、会場は一気に興奮の渦に包まれた。

曲が終わると、続いてはビンゴ大会。菅沼たちが番号を読み上げていくと、最初に“ビンゴ”となったのはなんと「私のおばあちゃんです」。臼井の祖母が一人目となる思わぬプチミラクルで、会場はさらに盛り上がった。

一度ステージを降りた二人は、お色直しをして再登場。「大好きなFRUITS ZIPPERをイメージした」と臼井は全体的に白を基調としたドレスにニーハイブーツ、菅沼は「乃木坂46のようなイメージ」と紺色のガーリーなワンピース姿に変身した。その後はトークショーを挟みながら、数曲を披露した。

今回のライブ企画は昨年の6月頃からスタート。本格的な準備が始まったのは3カ月ほど前だが、驚いたことに共同練習は「レコーディングだけ。きょうの16時に集合して、別のスタジオでリハーサルをして」。ゴルフの練習を優先しながら、それぞれ合間を縫って互いに準備を進めてきたという。

そうとは思えないほどの舞台クオリティ。CMソングも手掛けている渡部謙氏が作詞・作曲したオリジナルソング『だって、プリンセスなんだもん』は大好評だった。アンコールが起こり、2人が客席を歌いながら歩き、ファンたちとハイタッチをするシーンも見られた。

菅沼はこれまでソロライブも行っており、今回で3度目のステージ。一方の臼井は初めての経験で「すごくうれしかった。元々、宝塚を目指してたときに舞台に出ていたんですけど、ペンライトとかが振られるノリではなくて、静かな中でジャズダンスとか、クラシックバレーを踊る感じだったので、全然雰囲気が違う。100倍楽しめました」とライブを堪能した。

自己評価を聞かれると、臼井は「120点」、菅沼は「1500点！」と満面の笑み。「アンコールを何回もいただいて、みんながちぇるななの曲を覚えてくれて、一緒に歌ってくれて、良かった…」（臼井）と感極まる。アイドル活動としてのこれからの目標を聞かれると「ええっと…1000人ぐらいのところでやれたらいいな」と照れ笑いを見せた。

アイドル活動と並行して、本業のゴルフにも余念はない。菅沼は「去年は本当に大不調の年だったんですけど、スイングも本格的に見直して、だいぶ良くなってきた。前半戦でリランキングをクリアして、しっかりまたシードに復帰できるように頑張りたいです」と話した。昨年のファイナルQTでは102位に終わり、悔しさのあまり大粒の涙を流した。復活に向けて、調整は順調のようだ。

臼井は昨年の「アクサレディス」でツアー初優勝を飾り、次なる目標はツアー2勝目。来週には宮崎合宿が控えており、「去年の課題だったアプローチは、私の中では克服できた。ショットは少し直したい部分があるので、そこをトレーニングと合わせて一緒に直していけたらと思っています」とシーズン開幕に向けて励んでいく。

大成功となった“ちぇるなな”の初ライブ。ゴルフ界初の二刀流アイドル誕生だ。（文・高木彩音）