<ヤマハレディースオープン葛城 事前情報◇2日◇葛城ゴルフ倶楽部 山名コース(静岡県)◇6475ヤード・パー72>
昨年4月に双子の男児を出産した有村智恵が、ついにレギュラーツアー復帰戦を迎える。ママとして迎える初めての試合に、「すでに緊張しています」と率直な心境を明かした。
最後のツアー出場は2023年の「KKT杯バンテリンレディス」。ツアーを離れていた2年間は満足に練習ができず、「ツアーに出ていた頃のコンディションを100としたら、今は10くらい」と、万全とはいえない状態だ。
子どもたちはまだ保育園に通っておらず、ゴルフに費やせる時間は1日3〜4時間ほど。それでも「その中でできるベストを尽くそうと思いながらやってきた」と、育児と競技の両立に向けて試行錯誤を重ねてきた。
練習を続ける中で、体力の変化も痛感している。「何日も連続でゴルフをすることがなかったので、『昔はよくやっていたな』と改めて感じます」と苦笑い。今回の会場はツアー屈指の難コースとあって、表情にも疲れがにじむ。
十分な準備ができないまま迎える今大会だが、練習ラウンドでは思わぬ手応えも感じた。「かなりやれていると思っていて、今までとあまり変わらないかも」。ただし、「日に日に緊張が増して、体の動きを止めてくる。『やっぱりそんなに簡単じゃないよな』と思い知らされながらも、想像していたよりは戻せてきた」と語る。その言葉には、ツアー14勝を挙げた実力者としての自信ものぞく。
今季はすでにツアー外競技に出場し、実戦感覚も養ってきた。3月には「PGM×ACCORDIA チャリティゴルフ」「KURE LADY GO CUP 2025~Letʻs Move 30ʼs~」に参戦。長年バッグを担いできた小田亨氏をキャディとして起用し、「『試合ではこういう動きを心がけないとね』という話をじっくりできた」と、限られた時間の中でも感覚を取り戻すきっかけを得た。
今大会の目標は「まずは予選通過。そして藤田さいきさんのホールインワン記録に追いつくこと」。藤田が持つ7回のホールインワン最多記録に、有村はあと1回で並ぶ。ショートホールでは積極的にピンを狙うつもりだ。(文・齊藤啓介)