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    「いまはもう雲の上の人…でもいつか奈紗ちゃんと海外で戦ってみたい」ルーキーの肖像〜高橋彩華

    近年稀に見るスコアの伸ばし合いとなった2018年LPGAプロテスト。難関を突破した21名の個性をそれぞれ紹介する(取材/山西英希、文/標英俊)

    配信日時:2018年11月15日 05時00分

    • JLPGA
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    ⇒高橋彩華プロフィール
    ⇒2018年最終プロテスト合格者一覧

    高橋彩華(たかはし・さやか)には、ゴルフを続けてきたなかで、2つのターニングポイントがある。ひとつは中学3年で進路を迷っている時期、もうひとつはなかなか成績が残せないまま迎えた高校最終学年の春だ。

    空手、陸上などをやっていた少女がクラブを握ったのは10歳の頃。「ボールを打つだけじゃん!って思ったのに全然当たらなかった。当てられるようになりたくて練習を頑張っていた記憶があります」。小学6年から競技に出場しはじめ、新潟県のジュニア大会、女子アマ大会などで活躍。だが「中学の頃は、2回くらい、本気でゴルフを辞めようと思ったことがありました」。

    県内では成績が出せるも、関東大会では結果を残せず。「中学の頃は、一度も全国の大会にいけなかった。当時から自分たちの世代は上手い子が多くて“いま競争についていけなかったら、この先も無理なんじゃないか?…”って」。のちに黄金世代といわれる年代。同級生との差を痛感し、高校を選ぶ時期には、ゴルフ部に所属するのか、それとも普通の生活を選ぶのか、迷いが生じた。

    そんなおり「今日が最後のラウンドだ!」と友人たちと地元新潟の紫雲ゴルフ倶楽部でプレーしたときに、人生初のホールインワンを経験。「120〜130ヤードと短い距離でしたが、手前に2バウンドしてカップに収まったのを覚えている。“まだ何か持っているのかな〜”って。友人や周囲の方からも“絶対に辞めないほうがいい”といってもらえていたので、そこでもう3年間は頑張ってみよう、と思いました」。

    開志国際高校に進んでからは、プロを目指す決心がついていたが、1〜2年時は本人いわく「全然ダメでした」。しかし高校3年に上がったばかりの春先に“覚醒”のときを迎える。ゴルフを始めた頃からアドバイスを受けていた井上星一郎コーチがタイゴルフ界と親交があり、その縁もあって、タイでの国際試合に出場。「高校2年のときからタイの試合に出場していましたが、高3の春に出た大会で優勝することができたんです。そこで自信がついたんですかね。ゴルフに対する気持ちが変わった。崩れかかったときも精神面で耐えられるようになりましたし、スコアに結びつくようになったんです」。

    2年連続2度目の出場となった「日本女子アマチュアゴルフ選手権競技」では畑岡奈紗らを振り切り、初優勝。女子アマ日本一の座を手にすると、「日本ジュニアゴルフ選手権競技」でも2位となり、同年のJGAアマチュアランクで1位となった。「いま思い返せば、あのときタイの試合に出場していなかったら、いまの自分はいませんよね」。

    2017年のプロテストでは悔しい思いをしたが、QTでは22位となり、2018年シーズンの前半戦出場権を獲得。半年間のツアー転戦経験は、確実に今年の合格に繋がった。「今季前半戦は苦しさを感じつつも“成長するための過程だから乗り越えよう”という気持ちで戦った。その経験があったからこそ合格できたと思っています。来年からQT制度が変わる(非会員はQT受験資格を得られず)ので、正直ホッとしている。来年のテストは絶対に層が厚くなるので今年に通っておきたい!って意気込んでいましたから。クールなふりをしていますが、もともと“緊張しいでスーパーシャイ”。内心は口から心臓が飛び出る思いでした(笑)」。

    高校最終学年で世代の上位に位置するまでに成長したが、プロのフィールドでは再び追いかける立場。「遅れをとっている身ですが、もとから成長が遅いほう。焦らず1日1日大切にできたら」と、自身の信条とする我慢強いプレー同様、固く着実に力をつけていきたいと高橋。得意クラブは?と聞かれれば、以前はドライバー、パターと答えていたが、現在はアイアンで…「ドライバーに悩み、曲げることが多かったぶん、最近はラフからでもしっかりグリーンを捉えていけるようになりました」と苦境も力に変えている。

    将来は米国ツアー挑戦を希望。「いろいろな国のすごい選手と戦えるのは楽しいことだと思う。そして…奈紗ちゃんと海外の試合で戦いたい。いまはもう雲の上の人ですが、いつか同じ舞台でやりたいですね!」。

    高橋彩華
    〇1998年7月24日生まれ
    〇新潟県新潟市出身
    〇身長162センチ、体重55キロ
    〇血液型:A型
    〇ゴルフ歴:10歳〜
    〇趣味:音楽鑑賞、買い物
    〇スポーツ歴:空手、陸上
    〇目標とするプロ:ポーナノン・ファトラム
    ⇒高橋彩華プロフィール
    ⇒2018年最終プロテスト合格者一覧

    高橋彩華(たかはし・さやか)には、ゴルフを続けてきたなかで、2つのターニングポイントがある。ひとつは中学3年で進路を迷っている時期、もうひとつはなかなか成績が残せないまま迎えた高校最終学年の春だ。

    空手、陸上などをやっていた少女がクラブを握ったのは10歳の頃。「ボールを打つだけじゃん!って思ったのに全然当たらなかった。当てられるようになりたくて練習を頑張っていた記憶があります」。小学6年から競技に出場しはじめ、新潟県のジュニア大会、女子アマ大会などで活躍。だが「中学の頃は、2回くらい、本気でゴルフを辞めようと思ったことがありました」。

    県内では成績が出せるも、関東大会では結果を残せず。「中学の頃は、一度も全国の大会にいけなかった。当時から自分たちの世代は上手い子が多くて“いま競争についていけなかったら、この先も無理なんじゃないか?…”って」。のちに黄金世代といわれる年代。同級生との差を痛感し、高校を選ぶ時期には、ゴルフ部に所属するのか、それとも普通の生活を選ぶのか、迷いが生じた。

    そんなおり「今日が最後のラウンドだ!」と友人たちと地元新潟の紫雲ゴルフ倶楽部でプレーしたときに、人生初のホールインワンを経験。「120〜130ヤードと短い距離でしたが、手前に2バウンドしてカップに収まったのを覚えている。“まだ何か持っているのかな〜”って。友人や周囲の方からも“絶対に辞めないほうがいい”といってもらえていたので、そこでもう3年間は頑張ってみよう、と思いました」。

    開志国際高校に進んでからは、プロを目指す決心がついていたが、1〜2年時は本人いわく「全然ダメでした」。しかし高校3年に上がったばかりの春先に“覚醒”のときを迎える。ゴルフを始めた頃からアドバイスを受けていた井上星一郎コーチがタイゴルフ界と親交があり、その縁もあって、タイでの国際試合に出場。「高校2年のときからタイの試合に出場していましたが、高3の春に出た大会で優勝することができたんです。そこで自信がついたんですかね。ゴルフに対する気持ちが変わった。崩れかかったときも精神面で耐えられるようになりましたし、スコアに結びつくようになったんです」。

    2年連続2度目の出場となった「日本女子アマチュアゴルフ選手権競技」では畑岡奈紗らを振り切り、初優勝。女子アマ日本一の座を手にすると、「日本ジュニアゴルフ選手権競技」でも2位となり、同年のJGAアマチュアランクで1位となった。「いま思い返せば、あのときタイの試合に出場していなかったら、いまの自分はいませんよね」。

    2017年のプロテストでは悔しい思いをしたが、QTでは22位となり、2018年シーズンの前半戦出場権を獲得。半年間のツアー転戦経験は、確実に今年の合格に繋がった。「今季前半戦は苦しさを感じつつも“成長するための過程だから乗り越えよう”という気持ちで戦った。その経験があったからこそ合格できたと思っています。来年からQT制度が変わる(非会員はQT受験資格を得られず)ので、正直ホッとしている。来年のテストは絶対に層が厚くなるので今年に通っておきたい!って意気込んでいましたから。クールなふりをしていますが、もともと“緊張しいでスーパーシャイ”。内心は口から心臓が飛び出る思いでした(笑)」。

    高校最終学年で世代の上位に位置するまでに成長したが、プロのフィールドでは再び追いかける立場。「遅れをとっている身ですが、もとから成長が遅いほう。焦らず1日1日大切にできたら」と、自身の信条とする我慢強いプレー同様、固く着実に力をつけていきたいと高橋。得意クラブは?と聞かれれば、以前はドライバー、パターと答えていたが、現在はアイアンで…「ドライバーに悩み、曲げることが多かったぶん、最近はラフからでもしっかりグリーンを捉えていけるようになりました」と苦境も力に変えている。

    将来は米国ツアー挑戦を希望。「いろいろな国のすごい選手と戦えるのは楽しいことだと思う。そして…奈紗ちゃんと海外の試合で戦いたい。いまはもう雲の上の人ですが、いつか同じ舞台でやりたいですね!」。

    高橋彩華
    〇1998年7月24日生まれ
    〇新潟県新潟市出身
    〇身長162センチ、体重55キロ
    〇血液型:A型
    〇ゴルフ歴:10歳〜
    〇趣味:音楽鑑賞、買い物
    〇スポーツ歴:空手、陸上
    〇目標とするプロ:ポーナノン・ファトラム
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