福岡県福岡市にある実家はゴルフ練習場。幼少期から"ゴルフ用具"で遊んでいた井上りこは、9歳の頃に坂田塾に入塾した。高校は地元の強豪校・沖学園に進み、プロ入りを意識した高校3年時には、もちろん卒業後のプロテスト受験を考える。だが本人の希望とは裏腹に、進路は大学へと決まったという。
いくつかの大学からの推薦話をすべて断っていた井上だが、プロテストへ向かうため、坂田信弘塾長に挨拶にいったことが転機となる。
「"いままでありがとうございました"と挨拶した際に、"お前はまだプロになれない。1発では受からないから大学へ行って経験を積んだほうがいい"と言われたんです」。当然、即決はできない。「高校では、プロ希望者が大学に進学するケースはほとんどなかった。自分も当然いこうとは思いませんよね」。
高校の1つ上の代の福田真未、福山恵梨、山村彩恵。同じ学年の城間絵梨。1つ下の佐伯珠音、種子田香夏。2つ下の篠原まりあ…。確かに同校出身者は卒業後、数年でプロテスト合格を果たしている選手が多い。井上もそのルートを目指すはずだった。
だが、父からの言葉で進学への抵抗感は薄まる。「"いろいろな縁もあるから、行ってみたらどう?身になると思うよ"と言ってくれて。正直、自分でもすぐにプロテストは受からないかも…という気持ちがあったんだと思います」。
そして、2008年から坂田が監督に就任していた兵庫県・大手前大学へ。入学後も、まだ迷いはあった。「周りから"あの子は終わったね"と言われたりしましたよ。いかないほうが良かったのかな?と初めは思っていました」。だが現在の心境は「大学へ進学して良かった。最後の挨拶のときに、誘って下さった坂田塾長にも感謝しています」。
大学1年時の『全国女子大学ゴルフ対抗戦』で団体優勝、3年時には『関西学生ゴルフ選手権』『関西女子学生ゴルフ選手権』を制するなど、それまで無縁だったタイトルを手にした。そして、ゴルフの成績以上に精神面での成長を実感している。
「まずは親元を離れたこと。一人で大人の方と接する機会が増えたことで、失礼がない対応の仕方、振る舞い、話し方など、ひとつひとつを考えた。社会人になる前の準備期間だったと思います。高校時代は、ただただ親に反発していた時期もありましたが、親のありがたみがわかった。周りの方々に感謝する気持ちも大きくなった。ゴルフの面はもちろんですが、私のなかでは、人間的に成長できたという思いのほうが強いですね」
大学卒業後の初テストでは、最終プロテスト第3R終了時までは合格圏内の10位タイに。だが最終日は"76"となり、圏外に転落した。「昨年は緊張したときに、焦って…どうしたらいいかわからない状態でした」。今年は主戦場のステップ・アップ・ツアーで前半戦に好成績を残していたものの、自信があったわけではない。「プロテストは独特の雰囲気。昨年のこともあって、イメージは悪かった。でも、どんなときも焦らないためのチェックポイントを探しながら1年間取り組んできて、自分なりの対処法は見つけていた。ちょっと成長しているな、と感じましたね」。勢いではなく、反省を活かした上で勝ち取った合格。地に足のつけた考え方は大学4年間の経験が活きたに違いない。
24歳の割に大人びた雰囲気も作用しているが、「私のモットーは、見ている方の気分が悪くなるような振る舞いはしないこと。そして自分が楽しんでプレーすること。ゴルフツアーは、ギャラリーの方あってのものですから」と、さらっと答える姿を見ると、今年のルーキーのなかでも一際、成熟した印象をうかがわせる。
将来の目標は「いつまでも何かに挑戦したい。もしツアーに出場してできなくなっても、レッスンの分野で選手を育てたり…。留学も経験してみたいですね」との展望を持っているが、まずはツアーでの活躍が第一だ。「3年目くらいでレギュラーに定着できているのが理想。いま一番欲しいものですか?TrackMan(トラックマン/ゴルフ用弾道計測器)ですかね」。
井上りこ プロフィール
●所属/フリー
●出身地/福岡県福岡市
●出身校/大手前大学(兵庫県)
●生年月日/1993年4月10日
●身長/164cm
●体重/57kg
●血液型/A型
●ゴルフ歴/9歳〜
●得意クラブ/9番アイアン
●1W平均飛距離/240ヤード
●プロテスト受験回数/2回目
●趣味/映画鑑賞、音楽鑑賞
●好きな色/白、紺
●スポーツ歴/水泳
●ファンへのメッセージ/
ルーキーとして、今年からまたスタートラインに。同期はみな上手いので、私も負けず劣らず、しがみつきたいと思っています。いいプレーをお見せできるように頑張りますので、応援よろしくお願いします。
●地元自慢してください!/
福岡市は、適度に都会で、適度に田舎。住むにはもってこい(笑)だと思いますよ。もちろん食事も美味しいですし、栄えている場所が多いのに家賃も安いですから。
いくつかの大学からの推薦話をすべて断っていた井上だが、プロテストへ向かうため、坂田信弘塾長に挨拶にいったことが転機となる。
「"いままでありがとうございました"と挨拶した際に、"お前はまだプロになれない。1発では受からないから大学へ行って経験を積んだほうがいい"と言われたんです」。当然、即決はできない。「高校では、プロ希望者が大学に進学するケースはほとんどなかった。自分も当然いこうとは思いませんよね」。
高校の1つ上の代の福田真未、福山恵梨、山村彩恵。同じ学年の城間絵梨。1つ下の佐伯珠音、種子田香夏。2つ下の篠原まりあ…。確かに同校出身者は卒業後、数年でプロテスト合格を果たしている選手が多い。井上もそのルートを目指すはずだった。
だが、父からの言葉で進学への抵抗感は薄まる。「"いろいろな縁もあるから、行ってみたらどう?身になると思うよ"と言ってくれて。正直、自分でもすぐにプロテストは受からないかも…という気持ちがあったんだと思います」。
そして、2008年から坂田が監督に就任していた兵庫県・大手前大学へ。入学後も、まだ迷いはあった。「周りから"あの子は終わったね"と言われたりしましたよ。いかないほうが良かったのかな?と初めは思っていました」。だが現在の心境は「大学へ進学して良かった。最後の挨拶のときに、誘って下さった坂田塾長にも感謝しています」。
大学1年時の『全国女子大学ゴルフ対抗戦』で団体優勝、3年時には『関西学生ゴルフ選手権』『関西女子学生ゴルフ選手権』を制するなど、それまで無縁だったタイトルを手にした。そして、ゴルフの成績以上に精神面での成長を実感している。
「まずは親元を離れたこと。一人で大人の方と接する機会が増えたことで、失礼がない対応の仕方、振る舞い、話し方など、ひとつひとつを考えた。社会人になる前の準備期間だったと思います。高校時代は、ただただ親に反発していた時期もありましたが、親のありがたみがわかった。周りの方々に感謝する気持ちも大きくなった。ゴルフの面はもちろんですが、私のなかでは、人間的に成長できたという思いのほうが強いですね」
大学卒業後の初テストでは、最終プロテスト第3R終了時までは合格圏内の10位タイに。だが最終日は"76"となり、圏外に転落した。「昨年は緊張したときに、焦って…どうしたらいいかわからない状態でした」。今年は主戦場のステップ・アップ・ツアーで前半戦に好成績を残していたものの、自信があったわけではない。「プロテストは独特の雰囲気。昨年のこともあって、イメージは悪かった。でも、どんなときも焦らないためのチェックポイントを探しながら1年間取り組んできて、自分なりの対処法は見つけていた。ちょっと成長しているな、と感じましたね」。勢いではなく、反省を活かした上で勝ち取った合格。地に足のつけた考え方は大学4年間の経験が活きたに違いない。
24歳の割に大人びた雰囲気も作用しているが、「私のモットーは、見ている方の気分が悪くなるような振る舞いはしないこと。そして自分が楽しんでプレーすること。ゴルフツアーは、ギャラリーの方あってのものですから」と、さらっと答える姿を見ると、今年のルーキーのなかでも一際、成熟した印象をうかがわせる。
将来の目標は「いつまでも何かに挑戦したい。もしツアーに出場してできなくなっても、レッスンの分野で選手を育てたり…。留学も経験してみたいですね」との展望を持っているが、まずはツアーでの活躍が第一だ。「3年目くらいでレギュラーに定着できているのが理想。いま一番欲しいものですか?TrackMan(トラックマン/ゴルフ用弾道計測器)ですかね」。
井上りこ プロフィール
●所属/フリー
●出身地/福岡県福岡市
●出身校/大手前大学(兵庫県)
●生年月日/1993年4月10日
●身長/164cm
●体重/57kg
●血液型/A型
●ゴルフ歴/9歳〜
●得意クラブ/9番アイアン
●1W平均飛距離/240ヤード
●プロテスト受験回数/2回目
●趣味/映画鑑賞、音楽鑑賞
●好きな色/白、紺
●スポーツ歴/水泳
●ファンへのメッセージ/
ルーキーとして、今年からまたスタートラインに。同期はみな上手いので、私も負けず劣らず、しがみつきたいと思っています。いいプレーをお見せできるように頑張りますので、応援よろしくお願いします。
●地元自慢してください!/
福岡市は、適度に都会で、適度に田舎。住むにはもってこい(笑)だと思いますよ。もちろん食事も美味しいですし、栄えている場所が多いのに家賃も安いですから。