神奈川県横浜市育ち。「ゴルフが趣味の普通のおじさん(笑)」だという父の影響でゴルフを始めた2歳上、4歳上の二人の兄に触発されてクラブを握ると、兄のあとを追うように小学5年生からジュニア競技に出場した。
「競技の出始めは全然ダメでしたけど、1年経って、小学6年生で出場した『ゴルフダイジェスト・ジャパンジュニアカップ』で優勝できたときに、プロを目指したいと思うようになりました。その頃からゴルフ一筋。でも本当は中学にあがったら、部活に入りたかったんです。希望はバレーボール。楽しそうだったので(笑)」
中学時代は、放課後に近隣の第百ゴルフクラブへ通い、3時間打席に立ち、加えてパター練習をする毎日。「なかなかラウンド練習はできなかった。大会出場も夏休み、冬休み期間だけなので、限られた時間のなかでずっと打席に立っていましたね」という環境のなか、神奈川県ジュニア、関東ジュニアなどで好成績を残していたが、学生時代は二人のゴルファーから影響を受けていた。
ひとりは、2016年「サイバーエージェントレディス」で、38歳にしてツアー初優勝を飾り、姉・晃子に続く形で史上初の姉妹Vを達成した福嶋浩子。「通っていた練習場が一緒だったので、小さい頃から見てくださっていて…アドバイスを頂いたこともありました。憧れの方で、私のプロテスト合格時も“おめでとう”といって頂きました」。
もうひとりは、同じ横浜市出身で1学年上の原英莉花。今季のプロテストでともに合格を果たした90期生の同期だが、「小さい頃から一緒に練習したり、試合遠征をする機会があり、ゴルフ以外の部分でも仲良くさせてもらっていました」。最も身近にいた憧れの存在を追う形で、同じ湘南学院高校へ進んだ鶴岡。「英莉花先輩は、すごく練習熱心で“自分もああなりたいなぁ”と思って真似したり…ずっと背中を追いつづけている。いまもそうです」。
つねに自分の前を走り、1年先に高校を卒業した原が、プロテスト初年度に合格ラインから2打差で涙を飲んでいた。それだけに「本当に狭き門で難しいんだな」と“3年がかり”という想像も湧いた。だがもちろん狙うのは初年度での合格。高校卒業後の春先からは「安心できるまで練習しようと思って、練習量を増やしました。お世話になっている磯子カンツリークラブさんに練習環境を提供していただいたりして…おかげで焦りなくテストに臨むことができました」。
迎えた7月末の最終プロテストでは、2日目を終えて33位と圏外に位置するも、3日目、最終日をともに「68」でラウンドし、トータル10アンダー・14位タイで合格。
「合格直後は“一回目で叶うなんて夢のようだ”と思いました。しかも英莉花先輩と同期。“これから頑張ろうね!”という連絡を取り合えたときはすごく嬉しかったです。少しは追いつけたかなって。でもまだまだ全然ダメ。いままで以上に取り組まないといけないなと思っています」。
プロ転向後のデビュー戦となったのは「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」。現在指導を受ける重田栄作コーチにバッグを担いでもらい、アマチュア時代を含め、初のレギュラーツアー出場。予選落ちとなったが、「始まる前は緊張していましたが、いざスタートしてみると、お客さんが見てくれていて、ときおり声援を頂いたり、すごく楽しかった」と、プロゴルファーとしてのスタートラインに立った。
「自分の特徴ですか?ポーカーフェイスで負けず嫌いですかね(笑)目指したいプレースタイルはもっとドライバーの飛距離をアップさせて、ギャラリーを沸かせるプレーをしたい。英莉花先輩がそのスタイル。やっぱり一番の目標は先輩ですね」
少しは近づけた…と思った原は、2019年シーズンのシード権を確定させるなど、すぐさきへと走っていったが、いつか追いつき、追い越すために努力を続ける。
鶴岡果恋
〇1999年8月20日生まれ
〇出身地:神奈川県横浜市
〇身長165センチ、体重54キロ
〇血液型:B型
〇ゴルフ歴:10歳〜
〇趣味:ショッピング
〇特技:卓球