いよいよ3月2日に2023年日本女子ツアーが開幕する。11月末の最終戦まで38試合、どんな戦いが繰り広げられるのか。22年シーズンを振り返って占いたい。ALBA Netおなじみの「ライブ写真」で、各大会期間中に閲覧数が一番多かった写真から振り返る。
「リシャール・ミル ヨネックスレディスゴルフトーナメント2022」(6月3日~5日、新潟県・ヨネックスCC)で閲覧数が最も多かった写真は、大会2日目に新潟県内の小中学生32名を対象として行われたジュニアレッスン会の一幕だ。
ジュニアレッスン会はジュニアゴルファーの育成を目的とし、プロ8名がショットのお手本を見せつつ、スイングや構え方などを約30分間指導するイベント。写真は何かお手本を見せたタイミングだろうか。レッスン会に参加している子どもたちと地元・新潟出身の若林舞衣子が拍手している姿が写っている。端には原英莉花がキャップにサインしている様子もあり、ジュニアレッスン会の楽しそうな様子が伝わってくる。
こういったトッププロとの交流が、次世代のスターを生み出す可能性につながる。私も○○プロのようになりたい!と思った子供が、数年後ツアーで活躍しているかもしれない。
そんなイベントもあった同大会。21年シーズンの賞金女王稲見萌寧が開幕14戦目にしてようやくシーズン初優勝をつかんだ大会でもある。最終ホールのパーパットを沈めた稲見は、両手を広げながら子どものような無邪気な笑みを浮かべた。
2位と2打差の単独トップで迎えた最終日。2日目終了時に「今年初めてトップに立ったので、この2つを縮められないように、少しずつ伸ばして差を開いて行ければと思います。」と意気込んでいた稲見。同組でスタートした岩井千怜と勝みなみがスコアを落とす中、2バーディ・ノーボギーで前半を折り返し、着実に差を広げた。
後半は1バーディ・2ボギーとスコアを伸ばしきれなかったものの、「絶対に差を縮められない」という執念を感じさせるプレーで首位をキープ。
圧巻だったのは16番199ヤードのパー3。1打目が右のバンカーに入り、目玉になってしまった。さらにグリーンは3~4メートルの打ち上げとかなり難しいシチュエーション。本人も「本当にバンカー出るのかなという感じだった」と振り返るほどだ。「キャディさんと相談して、とにかくやりきるしかない」と意を決して放った1打はピンから3メートル程の位置に止まり、パーを死守したのだった。
続く17番は、前日に2打目を池に入れてダブルボギーとしたホールだが、この日はボギー。同じ失敗を繰り返さないようにとマネジメントした結果、最終ホールを1打差で迎える事態を免れた。稲見は最終ホールでも丁寧にボールを運び、しっかりとパーをセーブ。最終的に2打差を守り切って優勝となった。
22年シーズン開幕から不調が続いていたものの、強い稲見が帰ってきたと感じさせてくれる試合展開であった。23年シーズンでは、賞金女王に輝いた当時のような圧巻のプレーを期待したい。