＜ニチレイレディス　2日目◇15日◇袖ヶ浦カンツリークラブ・新袖コース（千葉県）◇6584ヤード・パー72＞

主催者推薦選考会（マンデートーナメント）から本戦チケットを手に入れた大出瑞月が善戦。初日は3アンダー・9位タイ、そして2日目はさらに2つ伸ばし5位タイへ浮上した。

2日目は3バーディ・1ボギーの「70」という内容。「前半はすこぶる悪かった（笑）」と話すも、5番パー4でのチップインバーディが流れを良くした。「ミスでしたが、3バウンド目で入った。入ってなかったらもうワンピン行っていましたね」と運も味方につけるショットで後半の2バーディに繋げた。

今大会終了後に第1回リランキングが実施されるが、大出は82位（3.8pt）。30位前後が中盤戦でのほぼ全試合に出場できることが見込まれるが、そのボーダーラインまで約50pt差と大きな開きがある。

そんな苦しい状況に光が差し込んできた。仮にこのまま5人が並ぶ5位タイで終えたとしても、51.2ptを獲得できる。ボーダー付近までひとっ飛び。まさに一発逆転で“職場”確保となる。

ただ、本人はどこ吹く風。「全然。何も考えていないです」と笑い飛ばした。「そういう性格じゃないというか。熱くないんで、冷めているんで（笑）。周りの人との温度差を感じています（笑）」。リランキングについて、過熱する周囲の声とは裏腹に、当事者の大出はいたって冷静だ。「（ボーダー越えは）多分狙ってできるほどの実力は無いです」と自虐的なコメントまで飛び出した。

レギュラーツアーは2週前の「ヨネックスレディス」に続く2試合目。「なんなんでしょうね…」と好プレーの要因を一瞬考えた後、「イライラしていない」ことを挙げた。「イライラするまでもない。何かが特別いいとかではないです」と自身の現状を誰よりも俯瞰（ふかん）で見ているからこそ、過度な期待をせず自然体でプレーできている。

最終日に向けても「あすもゴルフするか」とあっけらかん。「どのコースに行っても、ステップ行っても、レギュラー行ってもスコアも変わらない。ビッグスコアを出したいとか無いです」と最後まで“大出節”。それでも底抜けに明るいキャラクターは報道陣を笑顔にさせた。（文・齊藤啓介）