<日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯 最終日◇10日◇パサージュ琴海アイランドゴルフクラブ(長崎県)◇6755ヤード・パー72>
飛ばし屋のルーキー・神谷そらが最終日に「68」をマークし、トータル12アンダーで大会史上6人目となる初出場・初優勝を決めた。最終組の神谷は前半3つのバーディを奪い、折り返しの10番バーディで単独トップに立った後は、小祝さくらの終盤の猛追を凌ぎ、見事1打差で振り切った。
勝者のギア
神谷そら、「操作性がいい」ヤマハの新作ドライバーでメジャー初制覇【勝者のギア】
ドライビングディスタンスNo.1のルーキー、神谷そらの初メジャー優勝を支えたドライバーとは?
配信日時:2023年9月11日 07時30分
<日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯 最終日◇10日◇パサージュ琴海アイランドゴルフクラブ(長崎県)◇6755ヤード・パー72>
飛ばし屋のルーキー・神谷そらが最終日に「68」をマークし、トータル12アンダーで大会史上6人目となる初出場・初優勝を決めた。最終組の神谷は前半3つのバーディを奪い、折り返しの10番バーディで単独トップに立った後は、小祝さくらの終盤の猛追を凌ぎ、見事1打差で振り切った。
4月の「フジサンケイレディス」で初優勝を挙げたあと、連戦の影響かなかなか優勝争いに絡めなかった神谷。ようやく成績が上向いたのが8月の「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」。本日ヤマハから正式発表されたばかりの新作、『RMX VD/M』ドライバーを投入していきなりプレーオフまで進んで2位になり、その後は予選落ちもなく、メジャー制覇に繋げた。
初優勝時のドライバーは前作『RMX VD』のロフト9.5度、44.75インチだったが、新作『RMX VD/M』はロフトが1度寝て、0.5インチ長くなり10.5度の45.25インチに。シャフトはフジクラ『ベンタスブラック』(5X)でかわらないが、新作ドライバーの感触については、「いいです。距離はほとんど変わらないけど、安定感が増して操作性が良くなった。狭いところでもしっかり振り切れたと思っています」と信頼を置く。
『RMX VD/M』は、R/M/Xと3機種用意された真ん中のモデル。ヘッド体積は460ccでソールのヘッド前方から後方にレールが伸び、スライドウェイトが装着されており、重心深さを調整できる。ヤマハの担当者は「今までのドライバーは他社もふくめてフェースの真ん中部分の初速が最も速く、スピン量や打ち出しとの関係が揃わないのが当たり前でした。新作はそこを改善し、フェース面上の重心より上で打っても初速を高め、高初速・高打ち出し・低スピンの飛びの三要素が揃います」と説明する。
神谷が『ベンタスブラック』の5Xを使い始めたのは今シーズンから。シャフトについてフジクラのツアー担当、飯村俊哉氏に詳しく聞くと、「元調子のシャフトで弊社シャフトの中で最も“ハード”なもののひとつです。シャフト自体に動きが少ないため、しなりすぎず、オフセンター時の捻じれにも強いため、方向性が安定しやすい。先端の強さから低弾道になりスピンが減りやすいのが特徴です。“変に動かないところ”が飛ばし屋の神谷選手にとって、安定性をもたらし、フィーリングに合ったのだと思います。本人も“やりたい動きに反応してくれるところ”が良いと言ってくれています」という答えが返ってきた。
今回の神谷の勝因は新作ドライバーだけではない。起伏があり猛暑の影響で芝が枯れて“超高速化“したパサージュ琴海のグリーンも攻略。4日間のパット数「29.50」の全体6位タイで終えた神谷は、初優勝後に不調だったパットに自信を持てた理由を明かす。
「(初優勝後から8月まで)ずっとパッティングで悩んでいて、チャンスにつけても入らない苦しい試合があったけど、今週『ストロークが良い時に比べてズレてる』とコーチに言ってもらえて。あとは、パターを替えたのが入ってくれたし、それで勝てたと思います。パターは常に2本持っていて(初優勝の)フジサンケイはコーライ用を使いました。その後もエースや優勝パターを交互に使っていました」(神谷)
フジサンケイレディスの舞台、コーライグリーンの川奈ホテルゴルフコースでは『TRI-HOT 5Kトリプルワイド』でツアー初優勝。今回の『2-BALL ELEVENトリプルトラック』こそが、もともとのエースパターなのだ。日本女子プロの練習日にフェースインサートを変更したモノが手元に届き、神谷はすぐに投入した。「ヘッドの形は好きなのでフェース面だけ変更。打感がやわらかくなって距離が合わせやすくなりました」という。
また、3月にプロトタイプで投入して初優勝したアイアンも、新作の『RMX VD/R』。アイアンもドライバーと同様にR/M/Xと3機種用意されているが、神谷が選んだのは今平周吾も投入後に即優勝した、一枚板で焼きなまし製法の軟鉄鍛造モデルだ。これまで長く開発に関わってきた藤田寛之が好むシャープな顔とは違い、今平好みのやさしい顔に変更されている。
大会4日間の平均飛距離「272.625ヤード」は岩井明愛に次ぐ2位で、その強みを活かしてパーオンも72ホール中56回の8位タイ。最終日の4番パー4では、300ヤードドライブでギャラリーからどよめきの声が上がった。優勝争いの小祝さくらも「飛距離がすごい」と、その飛ばしを称賛。神谷の今季のドライビングディスタンスは平均259.69ヤードで、堂々ツアー1位に立っている。
【神谷そらの優勝クラブセッティング】
1W:ヤマハ RMX VD/M(10.5度/ベンタスブラック 5X、45.25㌅、D2.5)
3W:ヤマハ RMX VD(15度/ベンタスブラック 5X、42.75㌅、D3)
3,4U:ヤマハ RMX VD(19,22度/ツアーAD DI-85S、40,39.5㌅、D2.5)
5I~PW:ヤマハ RMX VD/R(N.S.PRO モーダス3 ツアー105S、D1)
48,54,58度:キャロウェイ JAWS FORGED(N.S.PRO モーダス3 ツアー105S)
PT:オデッセイ 2-BALL ELEVEN トリプルトラック
BALL:キャロウェイ クロムソフト トリプルトラック
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