<富士通レディース 初日◇13日◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6697ヤード・パー72>
古江彩佳が3連覇を目指す「富士通レディース」。これまでに国内女子ツアーで3連覇を達成したのは、外国籍選手のみ。日本人初の偉業達成に多くの人が期待している。なお、今大会は米国女子ツアー「TOTOジャパンクラシック」出場圏内のかかる大会でもある。青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏に、コースの状況も踏まえ今週も占ってもらった。
カギとなるのは3つの力 古江彩佳は日本人初の偉業達成なるか?【大西翔太のSHOWTIME】
大西翔太氏が「富士通レディース」の優勝者を予想。有力候補の3人は…。
配信日時:2023年10月12日 23時00分
<富士通レディース 初日◇13日◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6697ヤード・パー72>
古江彩佳が3連覇を目指す「富士通レディース」。これまでに国内女子ツアーで3連覇を達成したのは、外国籍選手のみ。日本人初の偉業達成に多くの人が期待している。なお、今大会は米国女子ツアー「TOTOジャパンクラシック」出場圏内のかかる大会でもある。青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏に、コースの状況も踏まえ今週も占ってもらった。
■優勝に必要な3つの力とは?
「例年よりグリーンが軟らかいので、スコアは出ると思います」と、伸ばしあいになると予想する大西氏。そのうえでポイントになるのは「フェアウェイキープ力」「ピンデッドに狙うショット力」「勝負所でパットを決める力」の3つだと話す。
今大会が開催される東急セブンハンドレッドクラブはフェアウェイが広く、飛ばし屋有利と言われるコース。だが、「広いからと油断せず、確実にフェアウェイに置くことが大切。ラフがかなり深くなっていて、ボールが見えなくなる場所もありました。フェアウェイに置く自信がないなら、刻む勇気も必要です」と、セカンドショットをストレスなく打つため、フェアウェイをとらえることが必須だと大西氏は語る。
続けて「金土日もグリーンは軟らかいままだと思います。ピン方向に飛ばないと伸ばしあいについていけないので、アライメントどおりに打てる力のある選手、いわゆるショットメーカーが有利になるはずです」という。
そして「グリーンがここ数試合で一番きれいなので、パターの上手い人が上位にいくでしょうね。ラインが複雑でない分、ロングパットも入るでしょうし、“勝負所で決めきれるか”もカギになります」と、ポテトチップスと言われるような極端なアンジュレーションのない“きれいな”グリーンだからこそ力の差が出ると予想。
■数々のドラマを生んだ18番までに貯金を!
やはり最も警戒したいのは18番の名物バンカー。グリーン左手前に配置されたバンカーだが、アゴが高いうえ目の前にはほぼ垂直の壁。アゴから1メートル以内にボールが止まれば、脱出はほぼ不可能となる。「18番までに2位と最低2打差はほしいところですね」と大西氏が語るのは、ただでさえ難しいバンカーの砂質が変化し、より難易度が上がったから。「グリーン側からボールが転がり落ちることを想定して、ボールを転がしてみたら目玉になるボールが多かったんです。以前よりふかふかな砂になっています」と警戒する。
例年、最終日はバンカー越えのピンポジションになることが多い。それだけに「18番を無理せず確実に2オン2パットで上がれるように、もっと言えばボギーでも大丈夫くらいの貯金を17番までにつくっておくことが大切です」とも、話した。
■実力はもちろん、結果も残している3拍子娘をピックアップ
優勝予想筆頭は、「富士通レディース」3連覇という偉業達成に挑む古江彩佳。「フェアウェイを外さないティショットを打てますし、セカンドはピンに飛ぶ。パッティングもよい。3拍子そろっていますね。本人は調子がよくないと話していましたが、練習場では重い球を打っていましたし、パッティングの調子もよさそうなので間違いなく上位に入るかなと。何より偉業を達成してほしい」と、古江に大きな期待を寄せる。
続けて大西氏が挙げたのは小祝さくら。「さくらちゃんも調子いいですよね。球が曲がってない。ピンに飛ぶ。パターの調子もいい。今年の開幕はあまりパターがよくなかったけど、今はいい状態になっています。どんなにうまい選手でもはパターの調子に波はあるものですが、さくらちゃんはここ最近調子が上向きです。長い距離でもバンバン入れてきそうですね」と、安定感のあるショットに加えて、パッティングの好調さが光る小祝も有力候補だ。
3人目に選んだのは「岩井明愛ちゃん」と大西氏。「志が高くて、それに向かって一直線に行動しているなって感じます。心構えがいいですね」と、まずは岩井の常に上を目指すゴルフの姿勢を評価。続けて、「練習場でもいいストレートボールをばんばん打っていて、パットも自信を持って打てている。明愛ちゃんのティショットは『フェアウェイにしか置かないぞ』という気持ちを感じるんです。飛ばし屋のなかでは高いフェアウェイキープ率ですし」と高く評価する。
3人とも「フェアウェイキープ力」「ピンデッドに狙うショット力」「勝負所でパットを決める力」の3つを兼ね備えているプレーヤー。18番でつまづかなければ、上位争いに入ることは容易に想像できる。古江が3連覇の偉業達成なるか、他の選手が阻むのか。今週末も目が離せない。
解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。
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