先週の「フジサンケイレディス」を終えて、3月に幕を開けた2023年の国内女子ツアーもすでに8戦を終えた。そして今週は“前哨戦”ともいえる「パナソニックオープンレディース」(千葉県・浜野ゴルフクラブ)が行われ、次戦にはいよいよ、今季メジャー初戦「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」(茨城県・茨城ゴルフ倶楽部 西コース)が待っている。これまでの国内女子ツアーを、上田桃子、吉田優利らのコーチを務める辻村明志氏に振り返ってもらった。
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メジャー今季初戦まで残り1週間 これまでの国内女子8戦を振り返って…今年の様子は?【辻にぃ見聞】
国内女子ツアーは開幕から8戦が終了。ここまでの戦いを上田桃子ら指導する辻村明志コーチが振り返る。
配信日時:2023年4月25日 22時38分
先週の「フジサンケイレディス」を終えて、3月に幕を開けた2023年の国内女子ツアーもすでに8戦を終えた。そして今週は“前哨戦”ともいえる「パナソニックオープンレディース」(千葉県・浜野ゴルフクラブ)が行われ、次戦にはいよいよ、今季メジャー初戦「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」(茨城県・茨城ゴルフ倶楽部 西コース)が待っている。これまでの国内女子ツアーを、上田桃子、吉田優利らのコーチを務める辻村明志氏に振り返ってもらった。
まずは、ここまでの各トーナメント優勝者をおさらいしよう。
「ダイキンオーキッドレディス」 申ジエ
「明治安田生命レディス ヨコハマタイヤ」 吉本ひかる※
「Tポイント×ENEOSゴルフ」 青木瀬令奈
「アクサレディス」 山内日菜子※
「ヤマハレディースオープン葛城」 穴井詩
「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」 山下美夢有
「KKT杯バンテリンレディス」 岩井明愛※
「フジサンケイレディス」 神谷そら※
まず気がつくことは、初優勝者(※)が半分を占めること。そして、若手選手だけでなく、ジエ、青木、穴井といった30代の選手が活躍していることだ。山内もプロ8年目、26歳での初勝利だった。
ここ数年のトレンドとして「完全に若手が、言ったら黄金世代あたりがガンガンいっている感じがあった」と話す辻村氏だが、「ジエさんたちが勝って、(上田)桃子も調子がいいです。今シーズンには“若手だけじゃない”という雰囲気があります」と紐解く。
そして昨季メルセデス・ランキングトップ10選手のうちで勝利しているのは、女王となった山下のみであることも指摘する。「ここ2年ほどツアーを引っ張っていた選手たちに、少し出遅れている感じがあります。その選手たちが争って抜け出す、という優勝争いがまだありません。まだ本調子ではなく、仕上がりきれていないんだと思います」と分析する。ちなみに、8試合を終えた段階でシーズン複数回優勝者がいないのは、2017年シーズン以来のことだ。
その“本調子”というのは、オフの取り組みも少なからず影響している。「進化しようとしてオフにスイングや環境を変えたときに、うまくハマればいいですが、ブレてしまうときもある。感覚を戻せばいいでしょとも言われますが、そのときすでに感覚は変わってしまっているので、戻すのは難しいんです」。スイング改造がまだフィットできていないなどの事情もあるなかで、開幕にきっちり間に合わせるというのは、トップ選手でも難しいことなのだ。
「この時季で、誰が行くかというのが分からない」と話すくらい、“今年の顔”争いも混戦を極めているシーズン序盤。そのなかで、メジャー今季初戦まで2週間を切った。「メジャーを意識している人は、そこに向けて調整していると思います。調子を上げながら結果を残したい、せめてトップ10フィニッシュでつなげていきたいと思っているでしょう」と、今週の“前哨戦”での指標を話す。
「選手たちは今週(パナソニック)をめいいっぱい頑張りますが、サロンパスのイメージをしながら練習をしていくと思います。実際に(サロンパスの)コースに入らないとコンディションはわからないですが、グリーンが締まったときのあのコースはかなり難しいですからね」。“大一番”に向けて、この1週間で仕上げることができるか。前哨戦での成績だけでなく、スタッツも注目ポイントのひとつとなるだろう。
優勝予想や注目選手も「まだわからない」としたなかで、今季1勝をあげる山下、7試合中5試合でトップ10入りと好調の上田を筆頭に予想。そして岩井明愛・千怜のツインズにも注目する。「明愛さんは勝てたことで余裕が生まれてくるだろうし、千怜さんも優勝争いをしてきたら面白い位置に食い込んできそうな感じがあります」とそのポテンシャルを推した。
そして、だれが頭ひとつ抜け出すのか。メジャー、そして次戦で勢いに乗るのはもちろんのこと、「資生堂レディスあたりの4日間大会が続くとき、どれだけ調子を維持できるか、そして上げられるか。それがランキング争いに大きく影響してきます」と、6月から7月にかけての4日間大会での状態に注目を寄せる。
昨年のパナソニックオープンレディスはシーズン開幕から勢いにのった西郷真央が制し、ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップではのちに女王を戴冠する山下が制した。果たして、今年はどんな結末が待っているのか。
解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、吉田優利などを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。
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