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    吉田優利はシャフトを “ハード”な黒から、“ピッタリ”な緑に替えてミート率&飛距離アップ【勝者のギア】

    2年前の優勝時とクラブ構成はまったく同じの吉田優利。信頼するクラブを長く使い続ける吉田が、ドライバーのシャフトを替えた理由は?

    所属 ALBA Net編集部
    ALBA Net編集部 / ALBA Net

    配信日時:2023年5月8日 09時50分

    • JLPGA
    • 吉田優利
    • パター
    吉田優利のメジャー初優勝を支えた14本。緑のシャフトがティショットに安定感と飛距離をもたらせた
    吉田優利のメジャー初優勝を支えた14本。緑のシャフトがティショットに安定感と飛距離をもたらせた (撮影:米山聡明)
    • ドライバーはブリヂストンゴルフ 『B1』。中弾道ドローでフェウェイをとらえ続けた
    • 昨年の7月から『スピーダーNX GREEN』を使っている
    • ソールに鉛を貼って、振り感を細かく調整している
    • ウェイトポジションはセンター
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    Round 4
    順位ScPLAYER
    11吉田 優利
    24申ジエ
    36小祝 さくら
    36上田 桃子
    36リ・ハナ
    36イ・ソミ
    77佐久間 朱莉
    77山下 美夢有
    99永峰 咲希
    1010岩井 明愛

    <ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 最終日◇7日◇茨城ゴルフ倶楽部 西コース(茨城県)◇6780ヤード・パー72>
     
    2016年の「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」以来となるオーバーパーでの優勝スコアとなった今大会。小さいのに傾斜がきつく硬く速く仕上がったグリーン、密集した長いラフ、そして強い風が吹き荒れるなか、トータル1オーバーで今年一番の我慢比べを制したのは吉田優利だった。2年ぶりとなるツアー3勝目を挙げた吉田のバッグの中身を見ていこう。

    ドライバーはブリヂストンゴルフ 『B1』。中弾道ドローでフェウェイをとらえ続けた
    昨年の7月から『スピーダーNX GREEN』を使っている
    ソールに鉛を貼って、振り感を細かく調整している
    ウェイトポジションはセンター
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    ドライバーはブリヂストンゴルフ 『B1』。中弾道ドローでフェウェイをとらえ続けた (撮影:ALBA)

    <ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 最終日◇7日◇茨城ゴルフ倶楽部 西コース(茨城県)◇6780ヤード・パー72>
     
    2016年の「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」以来となるオーバーパーでの優勝スコアとなった今大会。小さいのに傾斜がきつく硬く速く仕上がったグリーン、密集した長いラフ、そして強い風が吹き荒れるなか、トータル1オーバーで今年一番の我慢比べを制したのは吉田優利だった。2年ぶりとなるツアー3勝目を挙げた吉田のバッグの中身を見ていこう。

    セッティングの構成自体は初優勝した2年前と同じ。ドライバーと3番のウッド2本、ユーティリティ2本、アイアン6本、ウェッジ3本にパターとなっている。そのなかで3番ウッド、3・4番ユーティリティ、48度のギャップウェッジ、パターの5本は2年前とまったく同じモデルとなっている。

    「新しいものは取り入れたいと思っているんですけど、クラブは慣れる時間が必要なので、その時間がすごくもったいないと思って。本当に悪くてダメだったら替えたほうがいいですけど、良いクラブで良いゴルフができていたら替えなくてもいいと思う」と、クラブをあまり替えない理由を話す。また、5番ウッドを入れないのは、ユーティリティのほうが吉田の好みの高さで飛んで、スイングリズムも長さもアイアンに近いためだ。

    そして、ドライバーのシャフトは、21年の優勝時はフジクラの『ベンタスブラック』の5Sを使用していたが、昨年7月の「大東建託・いい部屋ネットレディス」から『スピーダーNX GREEN』の50Sに変更している。「ベンタスブラックは先行投資のイメージでけっこうハードめに組んでもらっていて、いまは自分にピッタリなシャフトに替えて、しっかりヘッドが戻ってくる感じが強くなりました」という。

    このシャフトを変更した経緯について、フジクラの女子ツアー担当、飯村俊哉氏に聞くと「ベンタスブラックは元調子、スピーダーNX GREENは中調子という違いはあるものの、どちらもタイミングは大きく変わらず、同じような“タメ感”があります。吉田選手は『硬いシャフトを使えているときは良い状態』という認識があって、自分が使えるギリギリのスペックを使う傾向がありました。それだと振れなかったときもあったようで、“遊び”が少ないベンタスブラックから、少しシャフトの動きに余裕があるスピーダーNX GREENに替えたんです」と教えてくれた。

    テストを行った当時のメモには「ミート率1.51を連発。スピン量キープ、打ち出しアップ、キャリー6ヤードアップ。何より常に同じ球が打てていてミスがまったくなかった」と書いてあり、振り感を変えることなく楽にスイングできて、しかも飛距離が伸びたことが即投入につながった。その2週後には、もともと使っていたテーラーメイドの3番ウッド『SIM2 MAX』のシャフトも『スピーダーNX GREEN』に変更している。

    今大会ではティショットを深いラフに入れれば、硬いグリーンに止めることはほぼ不可能で、ボギーを覚悟しなければならなかった。その厳しいコンディションで吉田のドライバーは安定感を発揮。4日間のフェアウェイキープ率は73.2%で11位タイ、ドライビングディスタンスは257.5ヤードで6位タイだった。

    クラブの話から少し脱線するが、吉田のショットのイメージは「リズムよりも滞りなく」。マネジメントは「歩きながら考えて」、ボールのところに着いたら「距離と風を聞いて打つ」。できるだけ余計な時間はかけないのが吉田流だ。「自分的には動作を止められることにストレス。しょうがないことですけどギャラリーさんの音がしてしまったりとか、ちょっと風が変わったりとか、そうやって自分の流れを止めたくない」。つまり、ボールのあるところに来て構えてから打つまでの時間を短くすれば、仕切り直すことなくいつも自分の間合いで打てるというわけだ。

    幅広のブレードタイプ『オデッセイ O-Works ブラック #2W』
    ホワイトホット・インサートにカスタムされている
    長年の使用で黒いスチールシャフトの塗装はところどころ剥がれているが、つや消しの黒いペイントで補修している
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    幅広のブレードタイプ『オデッセイ O-Works ブラック #2W』 (撮影:ALBA)

    そしてグリーン上では2年前の優勝時も使っていたオデッセイの『O-Works ブラック #2W』を使用。新しいパターをテストしても「入っているから替える必要がない」と吉田は絶対の信頼を置いている。これは17年発売モデルで、市販品はマイクロヒンジ・インサートと呼ばれるインパクトしてすぐボールに順回転を与えるツメ状のヒンジがフェースに搭載されていたが、吉田が使うパターはホワイトホット・インサートにカスタムされている。

    ヘッドの形を表す『#2W』は幅広のブレードタイプ。「ピン型なんですけど、ちょっと幅が広めでフェースが硬めというのが気に入っているポイントです」と吉田。マイクロヒンジ・インサートよりもホワイトホット・インサートの方が少し打感は硬めとなる。また、市販品と同じ黒いスチールシャフトが入っているが、ところどころ塗装が剥げてしまい、「毎週キャロウェイの方が塗ってくださっています」と、つや消しブラックのペイントで補修されている。オデッセイのツアー担当によると、「替えたくない」とシャフトを交換させてくれないらしい。

    大会4日間を通しての、吉田の1ラウンドあたりの平均パット数は27.0で全体6位。最終日も長いパーパットを何度も決めてピンチをしのぎまくっていた。時間をかけて手に馴染んだ14本が、メジャー初優勝を手繰り寄せた。
     
    【吉田優利の優勝クラブセッティング 】
    1W:ブリヂストンゴルフ B1(9.5度/スピーダーNX GREEN 50S)
    3W:テーラーメイド SIM2 MAX(15度/スピーダーNX GREEN 50S)
    3,4U:ブリヂストンゴルフ TOUR B JGR HY(19,22度/ATTAS EZ 75S)
    5I:ブリヂストンゴルフ 222CB+(KBS TOUR 90S)
    6I〜PW:ブリヂストンゴルフ 221CB(KBS TOUR 90S)
    48度:ブリヂストンゴルフBRM(KBS TOUR 90S)
    52,58度:ブリヂストンゴルフ BRM2 プロトタイプ(KBS TOUR 90S)
    PT:オデッセイ O-Works ブラック #2W
    BALL:ブリヂストンゴルフ TOUR B X コーポレートカラー

    絶対の信頼を置くパターで、ピンチをしのぎまくった

    絶対の信頼を置くパターで、ピンチをしのぎまくった (撮影:上山敬太)

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