＜アース・モンダミンカップ　初日◇22日◇カメリアヒルズカントリークラブ（千葉県）◇6650 ヤード・パー72＞

賞金総額3億円、優勝賞金5400万円のビッグトーナメント「アース・モンダミンカップ」初日、午前スタート組がラウンドを終えた。途中雨が降るコンディションの中、今季「リシャール・ミル ヨネックスレディス」でツアー2勝目を挙げた川岸史果が、ボギーなしの6バーディで絶好のスタートを切った。

「きょうは距離感がよく、高いパーオン率でラウンドできました。グリーンを外したのは2回くらい。ティショットが飛んでいて、フェアウェイをキープできているおかげです」と、川岸。
 
今シーズンの試合の中で「一番深いラフ」だと、多くの選手が警戒するコースセッティング。ティショットをフェアウェイに運ぶのは必須。川岸は「これだけ深いとみんなはラフから出せないけど、わたしは出せる」と信じて、「ドライバーショットが多少曲がっても仕方がない」と思って振り切ったという。油断すると出てしまう傾向がある「振り急ぎ」が出なかったことも功を奏した。
 
とはいえ、ピンチもあった。399ヤードの10番パー4で、ティショットを左サイドの深いラフに入れてしまった。ライを確認すると窪地になっているところで、ボールはまったく見えない。残り133ヤードを9番アイアンで打ってグリーンをとらえることに成功したが、「力ずくでヘッドを上から入れて、高さを出して逃がして打ちました」と振り返る。怪物と呼ばれた父・良兼ゆずりのパワーが炸裂した瞬間だった。
 
優勝した試合の次戦「宮里藍サントリーレディス」は8位タイ、その翌週「ニチレイレディス」では42位タイ。体調面で心配はないのかを問うと「優勝疲れではないんですけど、疲労感はあります。でも、調子はいいです」と返答。
 
疲れを感じながらも自身初のシーズン複数回優勝に向けて、絶好のスタートは切れた。「残りも毎日、60台を出せるように頑張ります」と力強く言い切る。残り3日間、川岸は自分のゴルフをやり抜くことに集中するだろう。それが最高の結果を得る、最上の手段であるから。（文・河合昌浩）