<Vポイント×SMBCレディス 2日目◇22日◇紫カントリークラブ すみれコース(千葉県)◇6668ヤード・パー72>
2週前の開幕戦では昨年のプロテストに合格した97期生6人のうち3人が予選を通過し、荒木優奈が7位タイ、入谷響が12位タイと上位フィニッシュを果たした。そして今週もルーキーは8人が出場し、5人が決勝ラウンドに進んだ。なかでもデビュー戦の青木香奈子は9位タイ、同じく中村心も15位タイと上位を狙える位置で最終日を迎える。
アマチュア時代を含めて昨年まで日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)のツアー競技が未経験だった青木は、トーナメントの雰囲気を満喫しながらスコアをまとめた。初日は10番スタートだったがこの日は、“表の”1番から。「10番と1番は全然雰囲気が違いました」。スタンドに囲まれた雰囲気に加え、「申ジエさんと大里桃子さんという、すごい方と回れたので光栄と思いながら」と元世界ランキング1位とツアー通算3勝の先輩との組み合わせに緊張感が増した。
それでも普段通りのプレーに集中。1番、2番ともにパーオンを逃しながらもパーで滑り出すと、3番パー4は5メートル、4番パー5は3メートルを沈めてバーディが先行した。さらに5番パー4は手前のカラーから「寄ればいい」という3打目のアプローチが、そのままカップイン。「あれ、入っちゃったみたいな。だいぶ口が空きました(笑)」。本人は“ポカン”だが、ギャラリーは大盛り上がりだ。この瞬間トータル4アンダーになり、首位と1打差の単独2位まで浮上していた。
デビュー戦優勝という快挙への期待も膨らんだが、6番パー3で3パットのボギーを叩くと勢いが止まり、10番、18番でもボギーを喫した。それでも3バーディ・3ボギーの「72」にまとめてトータル1アンダー。首位の吉田優利とは11打差と逆転優勝は厳しい差だが、今年のひとつの目標に掲げた「レギュラツアートップ10」がグッと近づいた。
「目標としていた予選通過をしっかりできてひと安心」とほほを緩める。この2日間は「ギャラリーの方の多さにびっくりしているのと、見られながらプレーするのは初めてなので独特の緊張感はあります。応援してくれるので励みになりますし、いい緊張感で回れている」と声援を力に変えている。
予選を通過したことで“初任給”は確定した。「最高です」と素直に喜ぶが、「ここまでくるとさらに(高い)賞金が欲しいという気持ちが出てくる。明日は貪欲になりすぎず、攻めたいと思います」。1円でも多く稼ぐつもりだ。(文・小高拓)
【主なルーキーのコメント】
■デビュー戦で予選通過も「73」と1つ落とした中村心(トータルイーブンパー・15位タイ)
「昨日よりドライバーショットが安定していて2打目をフェアウェイから打つ回数は多かったけど、グリーン端に切られたピンを攻めきれなかった。もったいないボギーが多かった。(デビュー戦で予選通過は)よかったとかはあまりないですけど、きのうがよくない内容でも結果はアンダー、きょうは1オーバーだったことが悔しいです。あしたは3パットや、もったいないミスを無くして、なるべく上位でフィニッシュしたいです」
■開幕戦に続いて2戦連続予選通過の吉田鈴(トータル2オーバー・33位タイ)
「きょうはパッティングがよくなかっただけですね。ラインから外れてしまっていたので。予選落ちだけは嫌だったので、なんとか踏ん張りました。(2日間で)パー5のバーディがゼロなので、あしたはバーディを取って上位を目指したい。(姉の優利に)ぜひ優勝してもらって、私もその波に便乗していこうと思います」
■プロデビュー戦は初日の「77」が響いて予選落ちした古家翔香(トータル7オーバー・78位タイ)
「きょうは途中まで頑張ってたんですけど、(終盤2つのボギーで)結局予選は通れなかったです。初日は小さくて硬いグリーンに対応できなかった。きのうの反省を生かしたけど、悔しいです。またリベンジしたいです」