白熱のシーズンが終わった国内女子ツアー。その今季全37試合を振り返り、大会ごとに印象に残った“1シーン”を紹介する。
■宮里藍 サントリーレディス(6月6~6月9日、兵庫・六甲国際ゴルフ倶楽部、優勝:大里桃子)
首位と1打差の2位からスタートした大里桃子は、最終日も攻めの姿勢を貫き、トータル14アンダーで3年ぶりとなるツアー通算3勝目を挙げた。特に最終18番パー4では池とバンカーが絡む難しいピンポジションを果敢に攻め、1.5メートルにつけるバーディ締めで勝利を決定づけた。
2018年にプロテスト合格からわずか23日でツアー最速優勝を果たした大里。しかし、そこからの道のりは平坦ではなかった。21年の2勝目後にはイップス寸前のパットの悩みや腰痛で苦しみ、昨季はシード権を失うまでに成績が低迷。今年はQTランク5位で復帰したものの、序盤5試合で予選落ちが続く苦しいスタートだった。
そんな中でスイングを一から見直し、球筋をフェードに変えることでティショットの精度を向上。また、トレーニングを通じて「ケガをしない体づくり」に取り組み、地道な努力が実を結んだ。
今大会の優勝により、大里は8月開催の「AIG女子オープン」(全英)の出場権を獲得。プロ入り後初の海外挑戦に向け、「まずはパスポートの準備をしないと」と笑顔を見せた。高校生以来の海外旅行となる英国では、同い年の渋野日向子との再会も予定しており、「練習ラウンドを一緒に回りたい」と意気込んだ。
その全英では最終日に「67」を叩き出すなど奮闘。初の海外メジャーながら、22位タイに入る活躍を見せた。