＜ダイキンオーキッドレディス　事前情報◇28日◇琉球GC（沖縄県）◇6560ヤード・パー72＞

今季から米ツアーに参戦する勝みなみ。今大会を含む国内女子ツアー3試合へ出場した後に渡米し、「LPGAドライブオン選手権」（米アリゾナ州・3月23～26日）からいよいよ新しい生活がスタートする。

宮崎や海外など、暖かい場所で合宿を行うプロが多いなか、勝は意外にも「ずっと関東にいました」と、トレーニングメインのオフを過ごした。それが「開幕戦を迎えるに当たっては（今年が）一番いい」というコメントにつながっている。

その理由については、「体を全体的に動かせるようになってきたので、失敗したときにこういうふうに打ちたいなと思う動きができるようになってきた。対処がしやすくなったという感じ」と独特の表現で答える。どうやら本番で修正が利く身体の状態に仕上がっているよう。

そのトレーニング内容も独特で、例年とは違うメニューを取り入れている。「細かい筋肉を動かせるように、ちょっとエラーの起きるトレーニングだったり、バランスを崩すトレーニングです。バランスを耐えるためにいろんな筋肉を使うじゃないですか」。棒の片方におもりやゴムを取り付け、それを持って片足でバランスを取ることで、「体幹や足の裏の感覚も鍛えられる」という。

今季の目標については「1勝することです。とりあえず」と笑う。米ツアーへ弾みをつけて臨むためにも、「開幕戦では予選通過して勢いをつけたい」と考えている。昨年大会では4位タイに入っており優勝争いも期待させるが、「去年より上を目指すとなると、自分を苦しめてしまうと思う」とやや控えめ。そのうえで「少しでもその順位に近づけるように、欲をいったらもっと上に行けるように頑張ります」と勝らしい言葉も飛び出した。

プロだから成績も大事。それも含めて今週は「取り戻す」大会と位置づけている。「2カ月半くらい試合から離れているので、試合感を取り戻して、いまの自分の取り組みでここまでできるという自信を取り戻したい」と話す。

そして、米ツアーに挑戦する理由を「ゴルフを楽しみたいから」と表現する。1週間前の2月21日、プロレスラー、武藤敬司氏の引退試合を観戦し、その気持ちを再確認した。「本当にプロレスが好きで長くやられていたと思う。私はゴルフが大好き。ゴルフでご飯を食べていくとなると、仕事っていう意識に変わっていっちゃうと思うんですけど、私は純粋にゴルフを楽しみたい。そのためにアメリカにも行く。その気持ちはずっと忘れたくないなと思いましたね」。

トレーニングとプロレス観戦により、身体も心も米ツアー仕様に進化を遂げつつある勝。世界を驚かせる前に日本でも大暴れしてもらいたい。（文・下村耕平）