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“スロープレー規定”がシーズンを通じて厳しくなった JLPGAツアーはどう変わる?【原田香里のゴルフ未来会議】

今週の原田香里は、国内女子ツアー開幕戦で発表されたスロープレー規定について話す。

配信日時:2024年3月13日 11時30分

国内女子ツアー開幕戦でスロープレー規定を発表したJLPGA
国内女子ツアー開幕戦でスロープレー規定を発表したJLPGA (撮影:ALBA)

ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。

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JLPGAツアー第2戦「明治安田生命」は、鈴木愛さんの完全優勝と、開幕戦とはまた違った展開の面白い試合になりました。今後も引き続き、ツアーは激戦が繰り広げられることでしょう。 

そんなツアーの話題から、今日はプレーのペースについて考えてみたいと思います。ファンのみなさんはもちろんご存知だと思いますが、各プレーヤーが何人かずつ一緒の組で、順番にスタートしていくのが、ゴルフというスポーツです。ツアーでは3人1組が一般的ですが、最初にスタートした組と、最終組では、スタート時間が大きく違います。その分、ホールアウト時間も違うのは言うまでもありません。 

その日、コースに出ているゴルファー全員が、次々にプレーをしていく様は、空から見ていたら流れているように見えることでしょう。どこかで、その流れが止まったり、澱んだりしてしまうのがスロープレーです。 

こんなふうにイメージすると、なぜ、スロープレーがよくないのかわかっていただけるかと思います。みなさんがプレーするゴルフ場の一般営業でも、私たちプロの試合でも、これがひどくなると最後のほうの組は日没と競争するようにホールアウトすることになります。

みなさんの場合は、ホールアウトしきれなければ腹が立つでしょう。プロの競技の場合にはサスペンデッドになれば翌朝、残りホールをプレーしなければならなくなります。悪天候ならあきらめもつきますが、それがスロープレーのせいだとしたら、納得いかないはずです。 

JLPGAでは、今季スロープレーに対して新たな規定を設けました。これまでも、スロープレーに対しては注意、イエローカードの回数によって罰打が課されることは決まっていました。同じラウンドで3回以上スロープレーと見なされれば2打罰。それを超えると、やがて失格になるということまで決まっていました。 

今季からはこれがシーズンを通じての累積カウントになり、罰金も科されることになったのです。 

例年通り、今季開幕戦の「ダイキンオーキッドレディス」初日に、全組がスタートした直後JLPGAが会見を行って発表したそうですが、目的はプレーのペースを早くすること。罰金額などについては明らかにされていませんが、累積回数5回以上で講習を受けるようになるなど、これまで以上にプレーファーストを目指すことを明確に打ち出しています。 

スロープレー対策は、ツアーにとっていつも考えなければならない課題となっています。日照時間によって一つの試合に出場できる選手の数は違いますが、そのなかでできるだけ多くの選手がプレーできるようにするためには、スロープレーがないようにしなければならないからです。 

これまでの規定に加えて、今回累積規定ができたことで選手たちの意識は変わって来るのではないでしょうか。 

ファンのみなさんに、直接、あるいはメディアを通じて観ていただくのが、プロスポーツの大前提です。オリンピック競技になるタイミングなどで時間短縮のためにルール変更した競技はたくさんあります。野球のメジャーリーグ(MLB)が昨年から導入した、ピッチクロック制度などもその例の一つです。 

ゴルフは自然との戦いです。コンディションがタフな時にはやむを得ない遅れもあるかもしれません。けれど、それ以外の遅れは、みなさんに見ていただくスポーツとしてはふさわしくないはずです。

ギャラリーのみなさんが“定点観測”していれば、前の組がとっくにホールアウトしていったのに、次の組が来ないというような場合、スロープレーなのは一目瞭然です。放送や配信をライブでしてもらうときにも、何の理由もない遅れやサスペンデッドは、ないほうがいいに決まっています。 

何度もお話ししていますが、私自身、現役時代からプレーが速いほうではなかったですし、おそらくブラックリスト入りしていたと思われます。だからこそ、一つ一つのルーティンを大切にしてプレーしたい選手の気持ちは痛いほどよくわかります。けれども、それが規定より遅いのであれば、改善する必要があります。

「自分は遅くない」と意地を張るのではなく、競技委員から注意されたり、周囲の選手に言われたら、自ら振り返って対策をするのは当然のことです。私も、友達にどこが遅いのか教えてもらって改善したりしていました。 

ファンのみなさんに、上手いだけでなくいいゴルファーであることを見ていただき、お手本になることも、私たちプロゴルファーの大切な仕事の一つです。今回の新しい規定が、そのあと押しになることを願ってやみません。みなさんも、ツアーを観戦する際にはその辺りもご覧いただけると、それぞれのプロのことがより深くわかるのではないでしょうか。

■原田香里(はらだ・かおり)
1966年10月27日生まれ、山口県出身。名門・日大ゴルフ部で腕を磨き1989年のプロテストに合格。92年の「ミズノオープンレディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝。93年には「日本女子プロゴルフ選手権大会」、「JLPGA明治乳業カップ年度最優秀女子プロ決定戦」勝利で公式戦2冠を達成。通算7勝。その後は日本女子プロゴルフ協会の運営に尽力し21年3月まで理事を務めた。

連載

原田香里のゴルフ未来会議

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