国内女子ツアーは、いよいよ今季メジャー第2戦「ソニー 日本女子プロ選手権大会」が開幕した。場所は選手権としては初開催となる沖縄県。東シナ海を望む、かねひで喜瀬カントリークラブが舞台になる。そこには選手を苦しめそうな、独特の芝が…。ビッグトーナメントはどのような展開になるのか? 青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏が、たっぷりと語る。
こんな芝見たことない! 沖縄特有のコースが醸し出す“ザ・メジャー”の風格【大西翔太のSHOWTIME】
最強女子プロ決定戦がいよいよ開幕。大西翔太氏の展望は?
配信日時:2024年9月4日 23時00分
国内女子ツアーは、いよいよ今季メジャー第2戦「ソニー 日本女子プロ選手権大会」が開幕した。場所は選手権としては初開催となる沖縄県。東シナ海を望む、かねひで喜瀬カントリークラブが舞台になる。そこには選手を苦しめそうな、独特の芝が…。ビッグトーナメントはどのような展開になるのか? 青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏が、たっぷりと語る。
■選手の前に立ちはだかる“芝”…どこが難しい?
「“ザ・メジャー”という感じですね」。大西氏は、月曜日から選手とともに確認したコースを、このように表現する。スコアは伸びないガマン合戦。そんな展開を予想している。
そう考える一つの根拠が、コース特有の芝。ラフはセントオーガスチンとセンチピードという芝種をメインに、複数入り混じっている。その長さは60ミリと、メジャー大会として特別長いというわけではないが、太く、広い芝は対応を悩ませる。
「グリーン周りには10種類以上の芝が混ざっていますね。寄せるためには、選手が持つすべての引き出し、技術を出す必要があります。そして今年イチ“ちゃっくり”しやすいですね。またラフに外すとフライヤーもしやすい。縦距離を合わせるのも難しいです」
場所によってライが大きく変わり、目まぐるしいプレーを強いられる。選手たちも、「独特」と口をそろえ、大西氏の耳にも『難しい 』と話す選手たちの声がよく聞こえてくる。
そしてもうひとつ、手を焼きそうなのがグリーン。こちらはパスパラムという、あまり耳慣れない品種が表面を覆う。さらに傾斜もしっかりある難グリーンが選手を待ち受ける。「(芝の)目がすごく強いです。それを知っていないといけません。傾斜よりも目が勝ってしまい、スライスなのにフックするということも起きます。ホールごとの目を理解する必要があり、運だけでは勝てないコースです」。どれだけグリーン周り、そしてグリーンへの準備をしてきたか。それが重要になると付け加える。
■一枚上手の海外勢など誰が勝ってもおかしくない!
とにかくバーディが来てもすぐにボギーも叩くコース。「ボギーで済んだならOKという割り切りが大事になります。アプローチもちゃっくりしたり、抜けたり、逆のラフへ行ったりする場面を見ることもあると思います」と大西氏は話す。
そのなかで強さを発揮しそうな選手は誰なのか? 真っ先に挙がった名前は、現在のメルセデス・ランキング1位の竹田麗央と、2位の山下美夢有だ。現在の2人のポイント差は、306.61pt。メジャー優勝は400ptが加算されるため、ここでの逆転もある状況だ。「女王を目指す以上、こういう試合で勝つ必要があります。2人とも練習段階からパターやアプローチで創意工夫し、念入りに準備していました。上位に来るのは必然ではないでしょうか」と、ここで“推す”理由を明かす。
続いて原英莉花の名前も。これまでに「日本女子オープン」2勝(2020、23年)、「JLPGAツアー選手権リコーカップ」(20年)とメジャー3勝を挙げている。「ミスメジャーです。大きい大会に強いし、調子もよさそうです」。直近5試合で4試合がトップ10入りと、状態も上向き。独特の芝などでプレーすることに対し、原本人も「ワクワクしています」と燃えているだけに、メジャー3冠にも期待がかかる。
そして忘れてはいけないのが、古江彩佳だ。メジャー大会「アムンディ・エビアン選手権」を制し、ここが凱旋試合になるのは言うまでもない。「人柄もよく、コースでみんなから祝福されている姿を見ました。アメリカに行って距離も出てますし、パター、アプローチを念入りに確認していました。『これをやらないと』という嗅覚が働いてます」。その安定感は沖縄でも変わらなさそうだ。
今回は吉田優利、勝みなみ、稲見萌寧のほか、米ツアー通算2勝の20歳シャネッティ・ワナセンと、同じく2勝を誇るジャスミン・スワンナプーラのタイ勢2人や、「パリ五輪」で4位のビアンカ・パグダンカナン(フィリピン)という米国ツアーを主戦場にする選手も出場。大西氏も「海外勢はレベルが一段階上ですね」と、そのプレーには目を奪われた。
沖縄での試合は、開幕戦の「ダイキンオーキッドレディス」もあるが、さらに夏の強い芝もあり“独特感”が増すのが今大会だ。「誰が勝ってもおかしくないです」(大西氏)。そう思わせるようなスリリングな展開にも期待の、女子プロゴルファーNo.1決定戦になりそうだ。
解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。
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