<ダイキンオーキッドレディス 初日◇6日◇琉球ゴルフ倶楽部(沖縄県)◇6610ヤード・パー72>
この春に高校3年生になる17歳のアマチュア選手が、「特別。本当に幸せな空間です」と話す地元・沖縄県でのシーズン開幕戦で躍動した。吉﨑マーナ(沖縄カトリック高)は、1アンダーでラウンドを終え、「成長している」という実感を強めている。
最大瞬間風速15.4m/sの強風に加え、断続的な強い雨。平均ストロークは『76.1296』と、プロでさえ手を焼くタフなコンディションだった。アンダーパーは、わずかに9人。そのひとりになれたのは、大きな価値がある。
冬には「飛距離と100ヤード以内の精度」向上に努めた。「風が強いなかでも、以前よりショットに余裕が生まれてきている」と効果を感じている。飛距離面では、フィジカル強化に注力。「38~38.5m/s」ほどだったヘッドスピードは平均で1m/s上がり、「これまで思いきり振ってようやく出ていた距離が、今は軽く打っても出るようになった」と、大きな実りに。「普通に(ヘッドスピード)40m/sは出るようにしたい」と、向上心も尽きない。
男子ツアー通算48勝を誇る中嶋常幸が主宰する『トミーアカデミー』の合宿にも参加するなどして、腕を磨く日々。「(中嶋に)お会いする機会はなかなかないけど、会った時にはいろいろ教えてもらってます。世界で戦ってきた方から直接話を聞ける機会は、そうそうないので幸せです」。その内容については「あまり言っちゃダメって言われてます」と“内緒”だが、「考え方や、世界の人はここまでやっているということなど、その場に行ったことがない話を聞けるのはありがたいです」とレジェンドの金言が、刺激になっている。
小学校1年からゴルフを始め、これまでレギュラーツアーには7試合に出場。今大会は4年連続4度目の出場で、34位タイだった昨年はベストアマにも輝いた。同年には「日本女子オープン」でも予選通過(56位)を果たしている。そんな伸び盛りの高校生アマは今年、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)のプロテストを初受験する。「ツアーに出場し雰囲気を経験することができている。テストは緊張すると思うけど、経験を生かせるように本番までやっていきたいです」。ここも成長へのひとつのステップだ。
珍しいマーナ(本名・眞夏=まあな)という名前は、ハワイ語の『マナ』に由来。これは“人々を幸せにするスピリチュアルな力”などの意味を持ち、ハワイの人が、“すべてのものにマナが宿る”と信仰する特別な言葉だ。首位と3打差の6位発進と、頂上も見える位置。強い気持ちで臨む大会で、すべての力を発揮したい。(文・間宮輝憲)