＜ゴルフ5レディス　事前情報◇31日◇ゴルフ5カントリー美唄コース（北海道）◇6472ヤード・パー72＞

2週間前の箱根戦「CAT Ladies」の最終ラウンド開始前に、体調不良により棄権した山下美夢有。続く小樽戦も欠場したが、「元気になりました」と今週からツアーに復帰する。

箱根では首位と2打差で最終日の朝を迎えた。だが、「朝起きたときも（調子が）全然だったし、外に出た瞬間も暑さがすごかったし、動く気持ちにもなれなかった」と“熱中症”に見舞われた。逆転Vも狙える位置につけていたが、「いいパフォーマンスができない状態だったので、また来週出られたらいいな、と決断をしました」と、棄権を決めた。

熱はすぐに収まり食欲はあったというが、倦怠感や疲れを感じたため、先週も大事を取って欠場することに。「やっぱり暑さもあって、体調管理のほうが大事だった」と体力回復に努めた。先週の木曜日ごろにやっと練習を再開し、体を動かし始めることができた。

今週は水曜日に9ホールを回ると、開幕前日の木曜日にはプロアマで18ホールをプレー。「だるさもなく、いい状態かなと思います」と体調はすっかり回復したようだ。

コースについては、美唄に吹き付ける北海道らしい風を警戒する。「久しぶりに風も吹いて、結構トリッキーなホールも多くある。ティショットから点で打っていかないといけない」と、ショットの精度が重要なポイント。そしてこの風は、「雰囲気が似ているというか難しい。風が強すぎると迷いも出てくるけど、木に囲まれていないので分かりやすくて、全英っぽい感じかなと思いましたね」。21位タイで終えた海外メジャー「AIG女子オープン」（全英）に重なる部分もある。

来週には女子プロNo.1決定戦の「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯」が控え、いよいよ秋の陣へと突入していく。後半戦に向けても「体調管理と体が一番大事。自己管理をしっかりして、いい状態で（最終戦の）リコーまで頑張りたいなと思います」と、今季4勝を誇る女王はギアを入れ直して突っ走っていく構えだ。

今季序盤から独走していたメルセデス・ランキングは、海外メジャーで上位に入るなど強さをみせている申ジエ（韓国）にリードを許した。「環境が違ったところ（海外）でも上位で戦えるというすごさは見習わないといけない。私も追いつけるように頑張りたい」。相手は元世界1位の強敵。首位奪還に向けて、一戦一戦の結果が大事になってくる。

「上位で戦いたいという気持ちで、まずは目の前の一打に集中して頑張りたい」とメジャー“前哨戦”へ意気込んだ若き女王が、北の大地でリスタートを切る。（文・笠井あかり）