白熱のシーズンが終わった国内女子ツアー。その今季全37試合を振り返り、大会ごとに印象に残った“1シーン”を紹介する。
■大東建託・いい部屋ネットレディス(7月18~21日、福岡・ザ・クイーンズヒルゴルフクラブ、優勝:川崎春花)
川崎春花がツアー史に残る快挙を成し遂げた。4日間トータル28アンダーという驚異的なスコアを叩き出し、ツアー新記録を樹立。トータル20アンダー超えが5人という壮絶なバーディ合戦を制した。
「毎日こんなに伸ばせたのは初めて。うれしいです」と、京都市出身の21歳は柔らかな口調で喜びを語った。
2022年の「マスターズGCレディース」以来、1年9カ月ぶりに復活優勝を果たした2週前の試合。1年9カ月ぶりの優勝から連勝へとつなげた背景には、「目の前の一打」に集中するスタイルの確立がある。
昨年の低迷期には、結果を意識しすぎるあまりプレーに支障をきたした。そこで、「一打一打に集中する」というシンプルな考えに立ち返ることで、精神的な安定を取り戻した。
このフレーズは日米通算24勝を挙げた宮里藍の言葉として知られるが、川崎は“藍ちゃんブーム”をリアルタイムで知らない世代。それでも自分なりの解釈を加え、この言葉を心の支えとしてきた。
28アンダーという快挙は、川崎のゴルフにおける一つの到達点となった。しかし、記録そのものよりもプレーの内容に満足していた。「目の前のことをコツコツと…が自分には合っている。それを崩さずにやっていきたい」。自分のスタイルを確立させた川崎は、これからもっと強くなる。