<ゴルフ5レディス 最終日◇1日◇ゴルフ5カントリーみずなみコース(岐阜県)◇6559ヤード・パー72>
同じ組で回り、優勝した同い年の竹田麗央に触発されるように、佐藤心結がスコアを伸ばした。5バーディ・1ボギーの「68」でトータル8アンダーは今季初のトップ10入りとなる3位。今季は17度の予選落ちなど極度の不振にあえいでいるが、「ショットは今年一番よかったと思う。ドライバーもアイアンも結構振れて、ヘッドスピードも戻ってきた。今週は本当に集中できたと思う」と表情には明るさが戻ってきた。
8月26~27日に行われた「日本女子オープン」最終予選2Aブロックはトータル7ーバーの49位に終わり、本戦出場を逃した。「不安が残るままこの大会を迎えたけど、初日のスタート前の練習でひらめいたというか、ピンときたものがあった。それを試合でやったら、だいぶタイミング良く打てるようになったんです」。意識したのは、ダウンスイングへの切り返しの際に体を沈み込ませること。そうすることで、スイングに力強さが戻ってきたという。
日本女子オープンの最終予選では同じ組で回った選手のキャディを務めたツアー通算7勝の米山みどりからラウンド後に金言も授かった。「素振りと実際に打つときとのギャップがありすぎると言われました。もっと足を使いなさいとも。たくさんのことに気づかせてもらいました」。大先輩の助言も参考にした、ひらめきの¨突貫工事¨は吉と出て、この日のフェアウェイキープ率は78.6%で、パーオン率は88.9%とショットは安定。打ち下ろしの4番パー3は8番アイアンでピン左50センチにつけ、後半のインは4バーディを奪った。
「残り試合は少なくなってきたけど、今季ベストでフィニッシュができたし、ここ3試合はいい位置でラウンドができている。優勝争いの感覚とか、忘れかけていたものを思い出せました」。大会前に96位だったメルセデス・ランキングは3位に入っても80位に上がっただけ。苦しい戦いが続くことには変わりがないシード2年目だが、上を目指していく準備は整った。巻き返す時間はまだ残っている。(文・臼杵孝志)