<Vポイント×SMBCレディス 初日◇21日◇紫カントリークラブ すみれコース(千葉県)◇6668ヤード・パー72>
プロ2年目の19歳が初優勝に向けて好調を維持している。2週前の開幕戦で初日から3日目まで首位を守っていたが、最終日に岩井千怜に逆転されて2位タイ。悔しい思いをした菅楓華だが、この日も4バーディ・2ボギーの「70」で回り、首位と3打差の2アンダー・4位タイと好発進した。
出だしの1番パー4で2.5メートルのパーパットを外してボギーが先に来たが、続く2番パー4で5メートルを沈めてバウンスバック。「ボギーのあと次のホールでバーディが取れてから、パッティングがすごく良かったと思います」とグリーン上のプレーに助けられた一日だったと振り返る。
序盤はスティンプメーターで「12フィート」の高速グリーンにタッチが合わせられず、ファーストパットが2~3メートルオーバーすることもあったが、返しをしぶとく沈めていた。「見た目以上に速いところもあってオーバーしていましたが、タッチを合わせることだけを考えました」。途中からカップを見ながら素振りをするなどして、徐々に感覚を合わせられるようになった。
開幕戦から好調の要因に挙げるのが、このパッティングだ。昨季は夏場以降に不調に陥ったが、オフにパッティングコーチの平田智氏と合宿を行って改善。データ計測なども行い主に基本を見直した。
「私は誰もができていることができていなくて…」と切り出す。ボールに線を書いて、その線を打ち出し方向に合わせて打つプロは多い。「合わせ方もぜんぜんダメで。(カップの)左を狙っているのに右を向いていたり」とボールの置き方を練習したり、苦手なスライスラインも「保険をかけて(余計に)左に向きがちでしたが、気持ちは悪いけど(打ち出し方向に)真っすぐ構える練習をしました」と悪癖を修正した。
トーナメント会場でも取り入れている練習のひとつが、真っすぐのロープを引いて、スクエアを感じることだ。ロープに対して真っすぐにスタンスを合わせて、フェースの向きやストロークのスクエアをしっかり感じ取る。「そういう基本的なことを繰り返しやって体に染み込ませました。構えてから『入る雰囲気があるね』って言われるようになりました」と周囲が見て分かるほど変わった。
基礎練習を徹底的に行ったことで、開幕戦の結果も素直に評価できる。「難しいラインも自信を持って打てていると思います。今週も難しいコースですが、きょうアンダーで回れたのも自信になりました」。ラウンドを重ねるごとに、そんな気持ちも増していく。
昨季は3日目、4日目に体力不足でスイングに安定感を欠くことがあった。そのため、今オフには筋量を増やし、体重の5キロ増にも成功。「(傾斜地など)ライが悪いところからの強さも変わりました」。昨年課題としていた面の改善もされている。開幕戦の反省を生かしてショットとパットがかみ合えば、おのずと結果もついてきそうだ。(文・小高拓)