白熱のシーズンが終わった国内女子ツアー。その今季全37試合を振り返り、大会ごとに印象に残った“1シーン”を紹介する。
■樋口久子 三菱電機レディス(10月25~27日、埼玉・武蔵丘ゴルフコース、優勝:岩井千怜)
岩井ツインズが地元で躍動した。岩井千怜がトーナメントレコードとなるトータル16アンダーで優勝。姉の明愛は2打差のトータル14アンダー・2位タイと、埼玉が誇る最強姉妹が最後まで大会を盛り上げた。
千怜は1打リードで最終日をスタート。1番パー5でバーディ発進し、前半を3バーディ・1ボギーで折り返す。特に重要だったと語るのが、8番パー3でのパーセーブ。左ラフに外れたティショットから58度ウェッジでロブショットを放ち、2メートルのパーパットを沈めた。「大事な場面で『よしっ』と思えるセーブができた」と冷静さが光った。
後半も安定したゴルフを続けたが、姉・明愛が上がり3ホールで3連続バーディを奪い、猛追してきた。「明愛の追い上げは終盤まで知らなかったけど、お互いに地元愛や頑張ろうという気持ちは通じていると思います」と振り返る。
最終18番パー5でのウイニングパットは4.5メートル。これを沈めた岩井は両手をあげて観客を“あおる”ポーズを披露した。実はこのポーズ、明愛が同じホールで直ドラを成功させた際にも見せていたもの。以心伝心のファンサービスに「そこまで一緒になるとは思ってなかった」と笑顔を見せた。
岩井姉妹はその後、12月初旬の米国女子ツアー最終予選会(Qシリーズ)に挑戦し、見事に来季の出場権を獲得した。来年は世界中のファンを熱狂させる。