<ヤマハレディースオープン葛城 2日目◇4日◇葛城ゴルフ倶楽部 山名コース(静岡県)◇6475ヤード・パー72>
ルーキー・徳永歩が、首位と3打差の7位タイで決勝進出。ツアー屈指の難関コースで善戦を続けている。
初日は6バーディ・1ダブルボギーの「68」をマークし、レギュラーツアーで初めての60台を記録。2日目も3バーディ・2ボギーの「71」と、アンダーパーのラウンドを続けている。
大会初日は、フェアウェイキープ率100%(14/14)を記録し、ティショットの安定感が際立った。一方、2日目は「そんなによくなかった」と本人も振り返るように、安定感に陰りが見えた。「タイミングが合わなかった。右に抜けたり、逆にヘッドが先に来すぎて左に引っかけたり」とショットのばらつきがあったが、「なんとか耐えられた1日だった」と及第点。「アイアンがよかったのと、パーパットが入ってくれた」と、他の部分でカバーし、スコアをまとめた。
試合中は、黄色いブリヂストンの『ツアーB XS』ボールを使用している。カラーボールを使う選手は一定数いるが、徳永が選んだ理由は少しユニークだ。そのこころは「黄色い方がちょっと飛ぶ気がする」から。驚きの答えであるが、実際に白いボールと打ち比べた結果、「2〜3ヤード」は違うという実証も得ており、高校1年生の頃から使い続けている。
「昔、本当に飛ばなくて」と語るように、かつて飛距離に悩んでいた徳永にとって、黄色いボールは、藁にもすがる思いだった。使用しているドライバーもピンの最新モデル『G440 LST』(10.5度)。超低重心&低スピン設計で、より前へと飛ばしたい意図が見て取れる。
昨年の最終プロテストでは2位通過を果たし、「ファイナルQT」も14位で突破。期待の“大型ルーキー”として注目を集めている。開幕戦こそ予選落ちを喫したが、第2戦以降は53位、15位と着実に順位を上げてきている。
ルーキーにとって、全国を飛び回るレギュラーツアーの生活はまだ慣れないことも多い。「荷物が多くて、それが大変。飛行機移動になるとキャディバッグを送る感じになる」と語り、母・恵美子さんと二人三脚でそのハードな日程を乗り越えている。「1試合1試合、まずは予選通過を目指していきたい。今年の目標はシード権を獲ること」と力強く語るように、確かな成長を遂げつつある。
初優勝も視野に入る好位置で決勝ラウンドへ。「自信があるわけではないけれど、先週も今週もいい位置でプレーできているので、チャンスのある場所で戦いたい」。期待の大型ルーキーが、難攻不落の葛城で初Vを狙う。(文・齊藤啓介)