<Vポイント×SMBCレディス 初日◇21日◇紫カントリークラブ すみれコース(千葉県)◇6668ヤード・パー72>
国内ではひさびさの好発進だ。昨年の「TOTOジャパンクラシック」以来の国内試合となる渋野日向子は、4バーディ・2ボギーの「70」で回り、首位と3打差の2アンダー・4位タイで初日を終えた。初日をトップ5以内で発進するのは、最後の優勝になっている2021年の「樋口久子 三菱電機レディス」(初日3位タイ)以来となる。
「フガフガいってもダメなコース。落ち着いて…」。渋野らしい言い回しで、難しいコースは鼻息荒く攻めても攻略できないことを言い聞かせていた。ひさびさ好発進のこの日は「けっこう冷静にいけました。珍しく。ボギーを打とうが冷静にできた。(初日は)いいところなしのことが多かったけど、きょうは耐えながら伸ばすゴルフができてよかった」。パーオンを逃したところは7ホールあったが、2つのボギーにとどめられた。
この日4つ奪ったバーディのうち、最終18番は3打目を1メートル弱につけたもの。ただ、ほかの3つは2番が3~4メートル、5番が4メートル、12番が4~5メートルとミドルパットを決めた。「打ち出したいところに打てていた。ミスパットは少なかった」と安定したパットが光る一日でもあった。それはバーディパットだけでなく、パーパットでも同様だ。
リカバリー率は71.4%(5/7)と高い数字を残したが、「アプローチは寄せきれていなかった」というのが正直なところ。ただ「2~3メートルオーバーする場面が多かったけど、その距離にいくことを怖がらずにやっていた。アプローチは緩むというより、しっかり打って転がってしまった。そこは前向きにとらえたい」と、ネガティブにはとらえていない。
スティンプメーターで12フィートの高速グリーンは、アンジュレーションがきついのも特徴。“フガフガ”と欲張って近くに寄せてパーセーブを求めると、逆にミスが起こりやすい。グリーンを外しても“2~3メートルオーバーはOK”。そんな冷静さを持っていたと明かす。パットの安定感と冷静な思考で「しぶとくパー」を拾えていた。
国内の予選カットのある試合では22年の「樋口久子三菱電機レディス」以来、決勝ラウンドに進めていない。ホステスプロの今大会は「3日間やること」を一つの目標としていた。「私は何かやらかすタイプなので、あしたどうなるか分からないけど、初日このスコアで回れたのはうれしい」と自虐的に笑う。やらかさないためには…。そこでもやはり「分かっていてもやらかしちゃうんで、フガフガしない!」と言い切る。
この日唯一“フガフガ”したのが最終18番ホール。「フガフガして(ティショットが)天プラみたいなボールを打っちゃった。でもいいフガフガなので悪い方が出ないように気を付けたい」。きょうのようなフガフガしないゴルフで、気持ちよく日曜日を迎えたい。(文・小高拓)