<NOBUTA GROUP マスターズGCレディース 3日目◇19日◇マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6506ヤード・パー72>
日米通算11勝の畑岡奈紗がスルスルとリーダーボードを上がってきた。首位と6打差の20位から出て、7バーディ・2ボギーの「67」をマーク。トータル10アンダーの5位タイにジャンプアップし、首位との差は半分に縮めた。
1時間43分の中断も関係なかった。雷雲接近とその後の雨で、競技は午前9時31分に止まった。再開したのは9番のパーパットから。1バーディ・1ボギーで折り返した後半はバーディ量産のショータイムだった。残り158ヤードの2打目をピン手前2メートルにつけた10番から3連続。13番のボギーで“小休止”したあとは、14番で3メートル、15番では7メートルを沈め、17番はピン手前5メートルをカップに収めた。
「中断中はキャディとたわいもない話をしていました」。プロ転向した翌年の2017年から主戦場を置く米ツアーでも中断は日常茶飯事。「最近はないけど、みんなとゲームをしていたこともある」と時間の過ごし方は心得ている。再開後はすぐに戦闘態勢を整えての猛チャージ。「ランが出なかったり、パターも思ったより転がらないところもある。しっかり打つように心がけた」と雨で水分をたっぷりと含んだ芝の対策も完璧だった。
1998年度生まれの黄金世代をけん引し、世界ランキングも長らく日本勢最上位に君臨してきた。だが、最近は若手の台頭に押され、14日付のランキングでは日本勢6番手の34位にまで後退している。大会前には「若い選手に負けないように頑張りたい」と話していた今季の日本ツアー初戦。2022年の米ツアー「DIOインプラントLAオープン」、日本ツアーでは2019年「日本女子オープン」以来となる優勝のチャンスがやって来た。
「いい感じで回れたので、(優勝の)期待みたいなものは上がってくると思うけど、そこはあまり意識しないで、自分のできることを続けることが大事だと思う。その先にそういう結果があればいいなと思います」
首位と3打差の5位から目指す頂点。世代交代の波にストップをかけて、気持ちよく米ツアーに戻りたい。(文・臼杵孝志)