<ゴルフ5レディス 事前情報◇8月31日◇ゴルフ5カントリー美唄コース(北海道)◇6472ヤード・パー72>
避暑地ながらも暑さがやや残る北海道連戦は、今週は美唄で開催。毎年コースを変えて行われるサーキットトーナメントを制するのは一体誰か。青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める大西翔太氏が展望を占う。
■“らしい”風をどう対処するか
コースが持ち回りで開催される今大会は、今年は北海道のゴルフ5カントリー美唄コースが舞台。2016年以来、6度目の開催となる。先週の小樽戦では北海道が熱波に覆われる“異常な暑さ”に見舞われたが、今週はやや落ち着いた様子。それでもコースは暑さによって北海道らしくないコンディションとなり、それに対応する力も求められそうだ。
一方で、“らしい”風には要警戒。広大な大地に広がる18ホールは「遮るものがないので、風の影響をモロに受けやすい。小樽よりも重たい風が吹いていて北海道らしいですね」と大西氏は話す。木に阻まれていないことから風が舞うことはあまりなさそうだが、「左右からの風が強いので、風と友達になれるかが重要になってきます。突発的に吹くこともあるので、柔軟に対応することが大切です」と目を光らせた。
風の影響は、ショットだけでなく、グリーン上にまで及びそうだ。「球のコロがりに影響がある、と話している選手も多いです」。ボールがカップに沈むまで、気を抜くことはできなさそう。
■スタートダッシュが肝心です
ティイングエリアからグリーンまで池が長く構える、9番と18番の上りホールにも注目する。「風はアゲンストですし、池も絡むので難しいです」。7番、8番でもホールを池が囲み、17番は浮島グリーンのパー3。「それぞれ終盤に難しいホールが続くので、最初の方でスコアを作っていけるかが大事になりそうです」と、伸ばすところと耐えるところのメリハリもポイントに挙げた。
週末にかけて、徐々に風が強くなることが予想されている。それを計算に入れてショットを繰り出すことはもちろんだが、“外してはいけないところ”もしっかりと考慮しないといけない。「ポテトチップスのようにうねっているグリーンもあって、ショートサイドに外したらボギーになりやすいホールも多いです。それを逆算しつつ、風も計算して、安全に攻めていく場面も必要になってきます」。
■強い風に対応するためには“ライン出し”
優勝スコアは3日間で「10アンダーくらい」と予想するなか、大西氏が優勝候補に挙げたのは、小祝さくら、山下美夢有、申ジエ(韓国)の3選手。共通点は「ライン出しができる」ことだ。
「本人はどう思っているかはわかりませんが、普段から見ていると、風に強い球を打てる選手です。ライン出しが上手で、ティショットも曲がらないし、パターも入る。必然的に上に来るでしょう」
山下は体調不良で棄権した「CAT Ladies」以来、2週間ぶりのツアー復帰となるが、「練習場で見ている感じだと、調子はよさそうです」と体調面でも心配なさそう。北海道最終戦で地元Vをねらう道産子、メルセデス・ランキング1位と2位につける実力者らの上位争いに期待する。
解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。