ニューバランスゴルフは14日、千葉県の袖ヶ浦カンツリークラブ 袖ヶ浦コースで「New Balance Golfer’s Summit 2025」を開催。契約選手の稲見萌寧が登場し、囲み取材に応じた。そこでは、昨年の振り返りやオフの取り組み、今年の抱負について明かした。
「ゴルフは上手くいかなくて大変だったんですけど、海外生活はすごく楽しかったですし、生きる強さを学んだというか。そこがすごく大きかったですね」
稲見は国内女子ツアー2020-21年シーズンで賞金女王に輝き、通算13勝を挙げている。23年に日本で行われた米国女子ツアーの「TOTOジャパンクラシック」で優勝し、翌年から主戦場を米国に移した。デビュー2試合目の「LPGAドライブオン選手権」で早々にトップ10入り(8位)を果たしたが、シーズンを終えてみれば18試合中、棄権が2回、予選落ちが10回と苦しい一年となった。
苦結果こそ厳しかったが、米ツアーでの経験は貴重なものだった。「ゴルフのこともそうですし、生活の対応力もついたのかなって思います」とトラブルが多い海外生活の中で、メンタル面の成長を実感。「気候も移動時間も全然違う。(時間を)どう使うかとか、どういうふうにしたら体調を崩さないか、そういうのが頭に入りました。トラブルも最初からあるものだと思っていたので、もはや面白くて楽しかったぐらいです」と、たくましさを見せた。
そんな海外生活を経て、稲見は今季、日本ツアーにカムバックする。3月6日から行われる開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」に出場予定。このオフは「体とかスイングを見直して取り組んでいる」と基礎を磨く期間となった。
「元々、柔らかさを意識せず、再現性を高くすることを重視していたんですけど、可動域を広げるために柔軟系(のトレーニング)を取り入れました。体を作り直して、スイングと一致させたい。開幕に間に合うようにしたい」と新たなアプローチにも挑戦している。
その背景には、年齢を重ねるにつれて「少しずつ(体の柔軟性が)硬くなっている感覚があった。スイングをもっと安定させていくためには、ねじっていかなきゃいけない部分もあって」と、体の変化に伴う改良が必要と感じたことがある。「体はイチから見直しています。そんなにすぐ変わるものではないので、地味にコツコツと。毎日家でストレッチをするようにしました」と根気強く取り組んでいる。
今年の目標は「まずは1勝」。さらに「どうしても(ランキング上位者などが出場できる)スリーツアーズに出たい。それに向けて頑張りたい」と意気込む。現在はコーチをつけず、自ら試行錯誤をして調整を進めている。
米ツアーには「メーンで出ることはない」としつつも、「メジャーには出場したい気持ちがあるので、日本で世界ランキングを頑張って上げたい」と大舞台への意欲は健在だ。狙うはTOTO以来となる2季ぶりV。賞金女王の復活が楽しみだ。(文・高木彩音)