＜大東建託・いい部屋ネットレディス　事前情報◇20日◇ザ・クイーンズヒルゴルフクラブ（福岡県）◇6540 ヤード・パー72＞

国内女子ツアーはシーズン唯一のオープンウィークを終えて、20日開幕の「大東建託・いい部屋ネットレディス」でシーズン後半戦がスタート。第8回を迎える今大会は、前年の滝のカントリークラブ（北海道札幌市）からザ・クイーンズヒルゴルフクラブ（福岡県糸島市）に開催地を変えて行われる。大会の見どころを青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏に聞いた。

■ドライバーばかり振っていると、思わぬ落とし穴にはまる

「今大会はスコアの伸ばし合いになるでしょう。降り続いた雨でグリーンは軟らかく、フェアウェイも広い。距離は6540ヤードと長くはありません。一日最低5つ、4日間で20アンダー以上。それが優勝スコアになります」と、大西氏は予想する。

一日で5アンダーということは、バーディを5つ以上獲らなくてはならない。そのためには「ティショットでやみくもにドライバーを握らないことです。一見すると飛ばし屋有利の印象ですが、パー4とパー5の全14ホールでドライバーを振ると、思わぬ落とし穴が待っているコースでもあります」と大西氏が言うように、刻む勇気を持つことが20アンダーを目指す上で重要だ。

「とにかくグリーンが止まるので、キャリーコントロールできる選手が上位に顔を出します。注目は安田祐香選手と金澤志奈選手。このふたりのショットの精度はツアーでも指折り。そろそろ初優勝が来てもおかしくない状態に仕上がっています。ピシッとピンを刺すショットで、バーディを重ねてくるでしょう」

そしてもうひとり、ルーキー・荒川怜郁（あらかわ・れいか）の名前も外せないという。「トレーニング中に20キロのダンベルを落として左足親指を骨折してしまい、5月以降試合から離れていましたが、今大会で復帰します。飛んで、行くところまで行くぞっという攻めのゴルフが身上ですが、キャリーコントロールの技術と刻む勇気を持っています。療養中のトレーニングがうまくいっていれば、復帰直後でも4日間を通して上位に顔を出すはずです」と話す。

■キャリーコントロール美女3人と女王・山下美夢有の戦い

安田、金澤、そして荒川。キャリーコントロール美女3人に注目だが、忘れてはいけない存在も。それは年間ポイントレース1位を走る山下美夢有と、破竹の快進撃を見せている岩井姉妹。

「山下さんと岩井明愛・千怜の双子姉妹が打っている球には、ブレがまったくありません。この3人も、必ず上位に顔を出すはずです。そこに初優勝狙いのキャリーコントロール美女3人が分け入ってくる。そんな展開が楽しみです」

優勝スコアは20アンダー以上。ボギーを打たず、バーディを獲り続けるには強いメンタルが必要となってくる。精神力がモノを言うこの戦い。誰が制するのだろうか？

解説・大西翔太（おおにし・しょうた）/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす！！ 飛距離アップの正解』が発売中。