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国内女子ツアー開幕! コースで感じる“群雄割拠”の予感… 開幕の地・琉球GCに“異変”?【大西翔太のSHOWTIME】

国内女子初戦がいよいよ開幕。青木瀬令奈コーチ兼キャディを務める大西翔太氏に展望を聞いた。

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2025年3月5日 23時30分

いよいよ、きょう6日から全37試合が行われる国内女子ゴルフツアーの2025年シーズンが開幕。今年も沖縄県の琉球ゴルフ倶楽部で行われる「ダイキンオーキッドレディス」が、その初戦となる。昨年の年間女王・竹田麗央ら、多くの主力選手が米国に主戦場を移すなか、いったいどのような展開になるのか? 青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏が、その会場で今週、そして今季の展望を占う。

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■やはり風とグリーンは難敵!

琉球GCといえば、沖縄特有の風、そしてツアーでは数少ないコーライグリーンが選手を苦しめるが、やはり今年もそこはポイントになる。「去年よりもグリーンが硬くなる傾向があり、日に日に硬くなっていくと思います。雨が続いているなかでもコンパクションは硬い。ビッグスコアが出る、という感じではなさそうです」と、大西氏がまず口にしたのもこの部分だ。

そのグリーン面の難しさについては、こう表現する。「芝が立っているところ、寝ているところ、薄いところという3パターンがある。創意工夫して打たないといけません。五感を研ぎ澄ませることが必要です」。そんなグリーンを外すと、さらに厄介。「ティフトンなど、いろいろな芝がこの琉球にはある。アプローチもバリエーションがないと寄せられません」。選手の腕を試すにはふさわしい仕上がりになっている。

風が吹くのか、吹かないのか。これは大きな差になる。「風が吹かなければ易しいけど、吹くとパーを取るのがやっとというホールも出てくる。急なスコールもありますし、運だけでは勝てません。全ての引き出しを使っていかないと」。昨年は岩井千怜が、大会レコードを更新する4日間トータル18アンダーで勝利したが、23年の申ジエ(韓国)、22年の西郷真央の優勝スコアはトータル10アンダーと、基本的には締まった試合が期待できそうだ。

■ベテラン勢が活躍するシーズンに期待

大西氏は、今季のキーワードに“ベテラン勢の奮起”を挙げる。昨年は10月の「NOBUTA GROUP マスターズGC レディース」で32歳のイ・ミニョン(韓国)が勝つまで30代の優勝者はゼロ。そして結果的に、これがシーズンで唯一の30代Vになった。「トップ選手たちが海外に行きましたが、その状況を今まで経験を培ってきた選手たちが見過ごすはずはありません。しっかりと計算してオフを過ごしているはずです」。コースで過ごす時間で、こんな雰囲気を感じ取った。

それは琉球を見て感じた、こんな部分も根拠になっている。「去年は飛距離がないと難しいと思ったけど、今年は若干フェアウェイが狭くなったように感じます。少しラフがせり出しているような。もちろん、まだ1試合目ですが、ひょっとすると、ツアーを通じて“飛ばし屋有利”というセッティング傾向が変わるかもしれませんね」。パワーゲームからコントロールゲームへ。それが経験を積んできた選手たちを後押しする、という展開も考えられるというわけだ。

もちろん、期待の若手も多く、昨年のメルセデス・ランキング上位勢が抜けたことで、そういった原石たちの突き上げへの期待も大きい。「いろいろな層の選手が勝ち、優勝選手が偏らない気がする。ベテランVS若手という構図が、より際立つかもしれません」。群雄割拠に突入、という予感がある。

■若手からベテランまで群雄割拠の展開に?

そんな視点で沖縄のコースを見回すと、状態のよさをうかがわせる選手もさまざまだ。

「岩井明愛選手は仕上がってますね。いい球を打ってますし、振りも速くなってるように見えます。去年、(妹の)千怜選手が勝っており、“姉妹連覇”もありそうです。あとは小祝さくら選手。歴代覇者ですし、ここは風なども影響するからリズムとテンポが悪いと難しくなる。パター、アプローチが上手ですし、小祝選手は優勝争いをしている時も、リズムが変わらないのも強みです」

今季から米国に主戦場を移した選手と、女王候補に挙げられる実力者のほか、「今年は複数回優勝すると本人も言っているし、どんどん実力がついている安田祐香選手」のプレーにも注目。またコースの雰囲気が、多くの日本勢が出場し、大西氏も帯同した先週の台湾メジャー「フォックスコンTLPGAプレーヤーズ選手権」のオリエントG&CCに似ているといい、そこでプレーした「佐久間朱莉選手、高橋彩華選手、青木選手らはウォーミングアップ終了という感じですかね」とも話す。

さらには、国内ツアー通算28勝で、その台湾の試合で2位にもなった23年大会覇者の申ジエについても言及。「ジエ選手のキャディさんから聞きましたが、あと2勝で永久シードとあってかなり燃えているそうです。先週からショットも仕上がってましたし、コンディションも整っている」。また、「キレイなドローボールを打つし、技術も高い。今年初優勝すると思います」という20歳のウー・チャイエン(台湾)にも、目を奪われたという。

「ベテラン勢が開幕戦優勝したら、若手が押される…そんな雰囲気になるかもしれません。若手が勝つか、ベテランが勝つか。それがこの先の流れを左右する気がしますね」。まさにここが一年を占う一戦になるかもしれない。

解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。

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