<Vポイント×SMBCレディス 事前情報◇18日◇紫カントリークラブ すみれコース(千葉県)◇6668ヤード・パー72>
国内女子ツアーの今季2戦目も、プロとしてツアーデビューを果たすルーキーが3人いる。なかには、中村心のようにアマチュア時代から出場している選手もいるが、人生で初めてプロツアーの舞台に立つ選手がいる。
それが「アマチュア時代にもツアーには出たことがなくて、すべてが初めてです」とワクワクした表情を浮かべる青木香奈子だ。火曜日にはプロ2年目の菅楓華、吉澤柚月とともに練習ラウンドを行うなど、調整を重ねてきた。
「会場の雰囲気がすごくいいですね。グリーンがすごく仕上がっていてキレイですし、コースセッティングは難しかった。学びです。やることばかり。緊張半分、楽しみ半分です」と心を躍らせる。ただ18番グリーンに設置されたスタンドを見ると、「あそこに観客が入ると思うと、硬直してしまうと思いますけど、そこをなんとか…」と緊張感も高まる。
レギュラーツアーならではのコースセッティングにも感極まる。「プロにならないと、こういうコンディションのコースではプレーができない。ここでもまれながら上手くなるんだなと思って。最初はもまれるでしょうね。もまれて徐々にいろんな(技術の)選択肢を覚えて、増やして、結果的にいいスコアで回れたらいい」。腕を磨くのには最高の環境だ。
QTランキングは134位で、現状では下部のステップ・アップ・ツアーが主戦場になる。今大会は推薦で出場。「(プロデビュー戦は)ステップだと思っていたので、4月か…って。そしたらまさかのレギュラーツアーだったので、緊張感がさらに高まりました」。うれしい悲鳴をあげることにもなった。
長年、宮崎県のフェニックスカントリークラブで研修生としてプロを目指してきたが、昨年、一念発起。関東に拠点を移して、「マイナビネクストヒロインゴルフツアー」などで試合に出ながら、ようやく6度目の挑戦でプロテストに合格した。
「これまでは徐々にテストに向けて仕上げていくという感じでしたし、『ここからシーズンが始まります!』というのはなかった」。プロとして初めて迎えたオフも「3月からしっかり仕上げないといけない」という意識の変化を感じとりながら過ごしてきた。
クラブ面でも、今季からキャロウェイと契約。「いろんなクラブを試せたり、シャフトもいろいろ替えてみたり。アイアンからドライバーまで、全てフィッティングしてもらえたのが1番大きな変化ですね」という部分にも、違いを感じた。そういったすべての場面がプロとしての実感を強くさせる。
中盤、そして後半戦へ、リランキングで順位を上げ、レギュラーツアーに出場できる回数を増やしていくことも目標の一つになる。そのためにも今は限られた出場試合で結果を残さないといけない。「まずはプロとして自分に足りないものが何かを知りたい。それが分かったうえで、磨きかけ、徐々に後半戦に向かうにつれ(レベルを)上げていければいい」。ここを前半戦のテーマに挙げた。
シーズンの目標は「ステップでの優勝、レギュラーのトップ10入り」。その目は輝いている。そのためにも、今大会で自信につながるスタートを切りたい。ただ「最初からトップ10とか、そんな甘い世界でもないと思うので、そこは謙虚にいきたい」とも。気負うことなく、「まずは予選通過。3日間、楽しみながら回りたいです」と完走を目指していく。
常に笑顔を絶やさず、その場の雰囲気を明るくするムードメーカー的存在。ツアー会場では、輝く笑顔と、166センチの長身から繰り出される豪快なショットに注目したい。(文・高木彩音)