19日、新宿のアルペントーキョーにて安田祐香のトークショーが行われた。今シーズンの振り返り、さらには契約する「オークリー」のアイテムについて“語り尽くし”。長いシーズンを終え、束の間のファンとの交流を楽しんだ。
会場に駆けつけたファンからの大きな拍手で迎えられた安田は、黒のポロシャツにカーキ色のロングパンツを合わせたシックなウェアで登場。普段はプレーでファンを魅了するが、きょうは“しゃべり”で魅せる日。「試合のときより緊張しています」と照れ笑いも見せながらマイクを握った。
安田といえば、試合中にかける大きなサングラスが“アイコン”になりつつあるが、そのこだわりも明かす。目が弱いと話す安田は紫外線によって目の充血、さらには疲れを感じていたそうだが、サングラスを着用してから「疲れなくなった」といまでは手放せない存在。同社の『Sutro Lite』というモデルを愛用し、日差しの強さに合わせて3種類のレンズを使い分けているという。
サングラスへのこだわりを語ったあと、今シーズンの戦いについてファンへ報告。9月の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」にてプロ5年目で掴んだ悲願のツアー初優勝。「自分が契約させていただいているダンロップさんの大会で、優勝できてよかったです。いろいろな方に感謝しています」と笑顔で話した。悪天候により27ホールの短期決戦で、第2ラウンドは中止となったが、その間は「牛タンを食べていたり、楽しい時間を過ごしていた」と、裏話も明かす。
シーズン序盤こそ、思うような結果が出せなかったが、初V後は「強い気持ちで戦えていた」と気持ちの変化もあり終盤の「伊藤園レディス」で2位タイ、「JLPGAツアー選手権リコーカップ」でもトップ10入りと成績は上向き。「去年よりいい成績で終えられてよかった」と納得の一年となった。
そして、安田のゴルフ人生を語るうえで欠かせないのが、今年の7月22日に76歳で亡くなったプロゴルファー・坂田信弘氏だ。ジュニアゴルファーを養成する『坂田ジュニアゴルフ塾』(通称:坂田塾)の主宰で、安田は門下生として、小学3年生の頃から指導を受けていた。
「先にお姉ちゃんが塾に入っていた」と姉・美祐(みゆう)を追いかけるように入塾し、学校が終わればすぐに練習場に行くことが日常となっていた。「プロになって成績が出ないとき、『無理しないで、休みたかったら休めばいい』と言ってくれた。すごく厳しいけど、すごく優しい方でした」と恩師への思いにふけた。
さらに、2019年のプロテストに合格した同期の山下美夢有とインスタグラムでプライベート写真を公開したことも司会者から振られ、「おめでとうと直接言えました」と、米国女子ツアーの来季出場権をかけた最終予選会(Qシリーズ)をトップ通過した山下とのやり取りも明かした。
「ジュニアのころから上手で、刺激は貰っている。ご飯に行けば楽しいですし、すごくいい関係だなと思います。(米ツアー参戦は)いい挑戦だと思うので頑張ってほしい」。来季から米国を主戦場とする同期の活躍を願った。
そして、トークショーの最後には来季の決意も口にした。「来シーズンも優勝を目指して頑張りますので、応援をよろしくお願いいたします」。駆けつけたファンの前でさらなる飛躍を誓った。(文・齊藤啓介)