<ソニー 日本女子プロ選手権 最終日◇8日◇かねひで喜瀬カントリークラブ(沖縄県)◇6670ヤード・パー72>
今年の“女子プロゴルファーNo.1決定戦”は、竹田麗央の年間6勝目&メジャー初優勝という結果に終わった。その勢いについては、米国ツアー組として参戦した選手たちから見ても、すさまじいものだったようだ。
5月の「ワールドレディスサロンパスカップ」以来の日本ツアー参戦となった勝みなみも、賛辞を送る。「(大会前までに)今年5勝して、海外のメジャーでも予選を通ってますし、すごいですよね。飛距離もあるからアメリカでも活躍できる」と、まずは竹田自身も希望する米国進出に太鼓判を押す。
そのプレーで特に目を奪われたのが、竹田の代名詞にもなっているパワーフェード。「アメリカはグリーンが硬いけど、フェードだからコントロールも効く。フェードで飛ぶというのがすごいですよね。うらやましい!」。2年間、ドローボールを駆使し米国ツアーを戦ってきた勝からは、こんな声も漏れてくる。
もともとドローボールが持ち球だった竹田が、フェードボールに変えたのは高校生の時。「ターゲットよりも左を向いて振った方が振りやすいと気づいた」というのがきっかけで習得した。時には米国男子ツアーの動画なども見て研究したが、基本は「何かを取り入れるというよりも、振りやすいように振っていました」と、感覚を最優先しここまで作り上げてきた。そして、これが海外でも大きな武器になると勝は見ている。
また予選ラウンドを一緒に回った古江も、「飛ぶのに曲がらない」とその強さを振り返る。4日間で竹田の平均飛距離は、271.5ヤードで全体2位。それに加えてフェアウェイキープ率も75%(42/56)と高水準だった。この武器をフル活用し、4カ所あるパー5では合計11個のバーディを荒稼ぎした。その姿には海外メジャー女王も、「曲がらないでパー5でも届く(2オンを狙える)のはやっぱり強いなと思いました」と感心させられたようだ。
英国、米本土、そして日本と海を渡っての連戦を終えた勝は、来週を休養にあて、再び15日(日)に渡米。19日開幕の「クローガー・クイーンシティ選手権」(オハイオ州)から主戦場に戻る。一方の古江は、来週の「住友生命Vitalityレディス 東海クラシック」や、26日開幕の「日本女子オープン」など、ここからしばらくは日本での転戦を続ける。そこでプレーするうえで、刺激になっていてもおかしくない、圧巻の優勝劇だった。
今回の勝利で竹田は3年間の複数年シードを獲得。優勝会見では「(米国ツアーに)挑戦しやすくなった。特に来年とかは考えてないけど、いつかは挑戦したい」と、今の心境を明かしていた。日本ツアーを席巻する21歳が、先輩たちと同じフィールドに立つ日は近い?(文・間宮輝憲)