<宮里藍 サントリーレディス 2日目◇7日◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇ 6545ヤード・パー72>
38歳の横峯さくらがトータル1オーバーの50位タイで予選を通過した。3月の「Vポイント✕ENEOS」以来、実に11試合ぶりの決勝ラウンド進出。31位から出て、前半のインでスコアを2つ落とし、後半も2連続ボギーを叩くなど薄氷の予選通過を、元賞金女王は「めちゃくちゃうれしいです」と喜んだ。
最終的に予選カットラインはトータル2オーバーの60位タイとなったが、6番パー3で3パット、7番パー4で3メートルのパーパットを外した連続ボギーで、トータル2オーバーに後退したときは圏外だった。午後組の最終組から4組前のスタートで、プレー中の選手も少なくなっていた状況。8番パー4で起死回生のバーディを奪い、9番パー4をパーでまとめてホールアウトしたときも、まだカットライン上だった。
「8番は3番ウッドで打ったティショットがカート道ではねたのか、届くとは思ってもいなかった左のバンカーに入った。そこからピンそば2.5メートルに乗せてバーディ。下りのスライスラインで、強く打ったら3パットもあると思い、パーでいいと思ったのが最後のひと転がりで入ってくれました」
2009年の賞金女王は10年「西陣レディスクラシック」から13年「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」まで101試合連続予選通過のツアー記録を持つ。1999年から02年にかけて不動裕理が作った91試合連続を更新する不滅の大記録。「あのころは予選落ちするなんて考えたこともなかった。ギリギリは何度かあったけど、最後は何とかしのげていた。でも、予選を通過することに気持ちが引っ張られて、上を目指すことができなくなったこともある。いっそのこと予選落ちしようと思ったこともあったけど、通ってしまっていましたね」。トップに立つ者ゆえの悩みも、今は昔。「目指すものが変わってしまった」と米ツアーを撤退して8年ぶりに主戦場を日本ツアーに移した22年からは予選通過との戦いが常になっていた。
14年に結婚し、21年には出産も経験した。今年12月で39歳。年齢を重ねたプロ21年目の今季は「すべてがダメ」と調子は一向に上がらない。10試合連続予選落ちは昨年の8試合連続を更新する自己ワースト。「メンタルはかなりやられました。心が折れそうで、もうやめようと考えたこともある」。最終目標に掲げる永久シードの通算30勝まであと7勝。今季3度目の予選通過で折れかけた心をつなぎ合わせたベテランは、目指すものがある限り、クラブを振り続ける。(文・臼杵孝志)