<ダイキンオーキッドレディス 2日目◇7日◇琉球ゴルフ倶楽部(沖縄県)◇6610ヤード・パー72>
前半に迎えた4番パー5。右のフェアウェイバンカーから、残り94ヤードの3打目を48度のウェッジで打った後藤未有は、この後、目を丸くすることになる。ピン手前に落ちたボールがコロコロ転がると、視界から消えた。「あ! 入った〜!」。バンカーショットがそのままカップインし、イーグルを記録した。
自身にとっての今季初イーグルは、ツアー全体の“第1号”にもなった。これについて聞かれると、「気持ちいいですね」と笑顔も弾ける。さらに、バンカーからイーグルを奪うのも人生初のできごと。「グリーンのガードバンカーからのバーディとかはあるけど、フェアウェイバンカーからは初めてですね。うれしかった」。直前の3番でボギーを叩いていたこともあり、気持ちを立て直すうえでも重要なスーパーショットだった。
昨年はメルセデス・ランキング66位に終わり、2022年に獲得したシード権を喪失した。久々に参加したQTは32位で終え、その権利で開幕戦を戦っている。オフは地元・福岡県を拠点に汗を流した。「トレーニングの成果で飛距離が伸びていると思う。ショットの正確性も上がって、暴れるところも少なくなりました」。シード復帰、初優勝を目指すシーズン最初の“縁起物”ともいえるプレーになった。
トータル2オーバー・17位タイで予選も通過。首位との差も4打と、まだまだ上を狙える位置だ。2オンに成功した最終18番も、「あとちょっとでした」と惜しいパットで一日2イーグルこそ逃したが、その表情は明るい。
ただオフには、“やり残した”ことも。沖学園高の同級生で仲がいい澁澤莉絵留との海外旅行が、仕事などの都合でお預けになった。それもあって「(今年のオフは2人で)ヨーロッパ旅行を計画してます。そのために『頑張ろう。稼ぎによって飛行機の座席(クラス)を変えよう』って話しています」と、“ご褒美”も用意している。
「今年はグリーンの状態が良くて、いいショットを打っても跳ねるからスコアが伸びにくい。風も強いし、耐えて伸ばせればチャンスですね」。1プレーで弾みをつけ、一気に旅費も稼ぎたいところだ。