プロ5年目の昨年9月に「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」で悲願のツアー初優勝をつかんだ安田祐香。兵庫・滝川第二高時代から大きな期待を浴び続けた24歳が、ようやく大輪の花を咲かせた。
そして今オフは、さらなる進化を求め「はじめて」という海外合宿に臨んだ。デジタルマーケティング事業などを手がけるスポンサー企業の『トランスコスモス』のサポートを受け、タイで合宿。次なる目標達成へとつなげる充実の10日間の様子を聞いた。現地でのオフショットも含め、3回にわたりお伝えする。今回は新たに投入したクラブについて。
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タイのラウンドで、安田の手には新たなクラブが握られていた。一般ユーザー向けには昨年11月に発売された、ダンロップのニューモデルアイアン『スリクソン ZXi5』がそれだ。
昨シーズン中からテストを重ねてきたが、オフに入り本格投入を決めた。「顔が(前に使っていたモデルと)あまり変わっていないから、オフの早い段階で投入して、すぐになじめました。飛距離が落ちることもなく、パっと替えられましたね」。さらにタイでは、その感触を体に染み込ませることができた。
昨年のミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンでは、『スリクソン ZX5 Mk II』を使用しツアー初優勝を手にしたが、違和感なく新モデルに移行できた様子。同社が『スリクソン史上最高の打感』、『驚異のボールスピードを実現』などとうたうニューアイアンが、2勝目への強い味方になりそうだ。
23年シーズンには71.3262%で17位だったパーオン率だが、昨年は67.5302%の44位と下がった。9位だったリカバリー率(68.2624%)など、持ち前の小技の精度にも助けられたが、ここに高いパーオン率が加われば、大きな伸びしろになる。
今回の合宿はスイング調整がメーンだったため、「あまりクラブは持ってきていない」とも話した。まずはしっかりと技術面を追い求め、そこにクラブ性能がプラスαをもたらせば、さらなる飛躍へとつながるはずだ。
「(昨季)やっと優勝できたので、早く2勝目を挙げたいですね。優勝争いがたくさんできるように戦っていきたい」。こう意気込む25年シーズン。開幕までの残り期間で、自らがイメージする姿へと近づいていく。(文・間宮輝憲)