<富士通レディース 初日◇13日◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6697ヤード・パー72>
3月の「明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント」でツアー初優勝を飾った吉本ひかる。大会初日は4バーディ・1ボギーの「69」をマークし、首位と3打差の15位タイにつけた。
前半戦は優勝の勢いそのままに安定した活躍を見せていたが、7月の「楽天スーパーレディース」から今季ワーストの5戦連続での予選落ち。「ショットが荒れていて、何をしてもうまくいかない時期でした」と振り返る。
「イメージと実際の球がずれていました」とショットに違和感があるままでのラウンド。それに加えて、「自分、完ぺきを求めすぎるタイプで」と、グリーンに乗ったとしても、“もっと寄せられたのに”、“思った通りの球じゃなかった”と不満が残るラウンドを進めることが多々あった。
予選通過できない日々が続くなかでも「完ぺきを追い求めすぎてはいけない。特に試合では完ぺき主義じゃだめだなって」と意識が変化し、「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」から5戦連続で予選通過。直近2試合ではトップ10に入るなど復活を果たした。
さらに吉本の復調には2つの理由がある。「ドライバーのシャフトを替えてから、不安がなくなって、全体的にまとまってきたんです。今までは、右に弱い球が出たり、それを嫌がってチーピンが出たり、チーピンが出たらそれしか出ないというループが続いてました。21年に不調になったときも同じような感じでしたが、シャフトを替えてすぐに脱せてよかったです」と1つ目の理由を明かした。
続けて「ここ数試合はパターがよくて、長いのが入ってくれたり、微妙なラインを決めきれていることも大きいです」と笑顔で話す。今大会のグリーンは仕上がりがよく、初日は11.5フィートと速めのコンディション。「速いグリーンが好きなので最高です」と得意なセッティングが奏功する一方で「17、18番はいいところにつけられたんですけど決めきれなかったです。どのグリーンも傾斜があまりないぶん、両方見えたりするのでちょっと難しかったです」と悔しそうな表情も見せる。
「今日も3アンダーで回れましたが、もう少しこうすればよかったというショットがありました。その部分を修正しながら、パッティングは今のリズムで打てるようにできればと思います。もう1勝したいので、優勝を意識しながら回ります」。吉本が貪欲に2勝目をつかみにかかる。(文・杉本夏希)