ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。
今年の幕開けとともにお届けしてきた山本薫里さんとの対談もいよいよ最終回です。昨年、初出場した全米シニア女子オープン2位と大健闘した経験を通じて感じた日本との違い。そこから見える今後の可能性など盛りだくさんの内容になっています。一緒に試合でプレーし、会見の通訳なども務めた大竹エイカさんの補足も含めた“濃~い”話をぜひ、お読みください。
■米ツアー通算72勝のレジェンドが日本シニアツアーに関心を持っていた?
原田:全米シニア女子オープン参戦で、いろいろ感じたところがあると聞きましたが。
山本:私が初日からトップ、トップ、トップと来たので、記者会見で言われたのです。「情報がないので自己紹介してください」って。
原田:JLPGAのウェブサイトって英語版もあるよね? あ。でも成績は載っているけど、プロフィールは誕生日、身長、体重、出身地くらいしかないものね…。
大竹:日本の情報が本当に少ないみたいで…。山本さんだけではなくて、日本選手がたくさん出ていて頑張ったのもあって、みんなが興味を持ったみたい。私はアニカ(アニカ・ソレンスタム)の妹のシャーロッタと回ったときに、日本についてものすごく質問されました。「シニアの試合はすごく充実しているの? 出たいんだけど」って。
原田:う~ん(苦笑)。
大竹:どうしたら出られるの? オープンな試合はあるの? って。いろんな日本選手があちこちで質問されていたみたいです。
原田:レジェンズの試合はツアーに入らないけど今年始まる日本女子シニアオープンを入れて6試合。去年と変わらない。でも、日本女子シニアオープンは2日間36ホール…(苦笑)。
山本:(日本女子シニアオープンの)2日間には、えっ? ってなりましたよね。始まるという噂を聞いていて期待していたぶん、びっくりしました。太陽生命さんはこれまでレジェンズのスポンサーもして下さっていて、そのまま日本シニア女子オープンのスポンサーになってくださったこと、試合ができたことはありがたいと思います。ただ、この試合はメジャー(公式戦)だと思っていたので、2日間競技というのはどうなのかな? という気持ちになりました。全米シニア女子オープンに行ってきたから余計にそう感じるんやろと思いますけど。ちゃんと4日間でやって特別招待枠とか作れば、アニカとか来てくれる可能性だってあるやん。それで話題になれば(レジェンズツアーの)試合も増えるやん、って。
原田:可能性はいろいろあるのにね。
■日本と米国の“尊敬心”の違い…
山本:日本のレジェンズツアーは45歳以上だけど、そのチャンピオンシップ(JLPGAレジェンズチャンピオンシップ明治安田生命カップ)は40歳から出られることになりましたやん。
原田:いろいろ話は出ていたけど本当にびっくりだよね。
大竹:アメリカでは50歳を過ぎてプレーしているひとに対してすごくリスペクトしてくれるのと大きな違いを感じますね。
山本:日本では、レジェンズツアー出場権をやがて40歳以上にしたい、という話があって「あなたたちじゃ売れないのよ。50を過ぎて本当に頑張っているひとなんていないでしょ」って某理事に言われたんです。「何を見てそう思ったんですか? それとも何も見ずにそう思ったんですか?」って聞いたら「私個人の意見じゃないのよ」という答えが返ってきた。まさか(JLPGAの)協会全体がそういう見解だとは思いたくないですけど、理事という立場の人の発言ですからね…。
原田:理事をやっているときもスポンサーさんがなかなかつかなくて大変だったのは事実だけど、それはひどいこと言うよね。
山本:某理事だけの考えだと思いたいですけど…。
大竹:そんなこと言われると日本でゴルフするモチベーションは下がりますよね。
原田:そりゃそうだよ。ゴルフって年齢じゃないじゃん。いくつになってもプレーを続けられる、ゴルフのいいところを競技で見せられるのがシニアの試合なのに。
大竹:そうですよ。レジェンズツアーは、いまの若い子たちが目指すようになって欲しいと思っているんです。
山本:「50歳以上で本気で頑張っている人なんていない」って言われたから頑張りました!
原田:大竹:(拍手喝采)
原田:本当に。来年の出場も決まっているんだからがんばってください。どうもありがとうございました。
山本:大竹:ありがとうございました。