今季も数多くの話題が生まれたゴルフ界。その中から、編集部が各ツアーの10大ニュースをピックアップしてシーズンを振り返る。今回は『国内女子ツアー』。
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記録ずくめの年間女王に歴史残した最強ツインズ 原英莉花は復活の大勝利【国内女子ツアー10大ニュース】
今季も数多くの話題が生まれたゴルフ界。その中から、編集部が各ツアーの10大ニュースをピックアップしてシーズンを振り返る。今回は『国内女子ツアー』。
配信日時:2023年12月28日 03時30分
今季も数多くの話題が生まれたゴルフ界。その中から、編集部が各ツアーの10大ニュースをピックアップしてシーズンを振り返る。今回は『国内女子ツアー』。
■まさに記録ずくめ 最強女王が2年連続で戴冠
昨シーズンに史上最年少で年間女王に輝いた山下美夢有が、2年連続でその座に輝いた。申ジエ(韓国)、岩井明愛との三つ巴にもつれ込んだが、最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」で連覇し、し烈な争いに決着をつけた。ほかにも平均ストロークは歴代最小『69.4322』で史上初の2年連続60台。獲得賞金は2億1355万4215円で、こちらも史上初となる2年連続2億突破を達成した。スタッツでは18部門で1位に輝くなど、“絶対女王”を印象づけた。
■わずか22試合で女王争い 元世界一は海外で活躍もあと一歩届かず
ジエはメルセデス・ランキング(MR)2位に終わったが、日本のみならず、海外でもその強さを見せつけた。今季は海外メジャーに3試合出場。「全米女子オープン」2位、「AIG女子オープン」(全英)で3位に入り、MRではビッグポイントを獲得した。移動や休息により多くの時間を費やしたため、今季の日本ツアー出場は22試合のみ。それでも開幕戦、高額賞金大会「アース・モンダミンカップ」で勝利を飾り、永久シード(30勝)まであと2勝に迫った。最終戦には「人生で一度は出たい」とパリ五輪の舞台を目指していることを宣言。元世界一のトップランカーは35歳になってもなお、国内外で存在感を見せつけた。
■最強ツインズが躍動 双子プレーオフに最終日最終組も実現
初優勝を含む3勝を遂げた明愛、今季2勝(通算4勝)を飾った千怜の岩井姉妹がツアーを席巻した。5月「RKB×三井松島レディス」では、山下を交えて史上初となる姉妹プレーオフを演じた。2ホール目の2打目にはともに“直ドラ”の競演。ゴルフファンを沸かせ、エンターテイナーとしての一面も覗かせた。「ニチレイレディス」では、こちらも姉妹史上初の最終日最終組で直接対決を繰り広げた。明愛がMR3位、千怜がMR6位に入り、そろって3ツアー対抗戦のJLPGA代表メンバーに選出されるなどトッププロとして君臨。“双子史上初”という言葉が何度も躍り、ゴルフ界に新たな歴史を刻んだ。
■急きょのヘルニア手術→日本女子オープンで復活V
5月、持病の腰痛が突然悪化し、急きょ椎間板ヘルニアの手術を受けた原英莉花が力強い“復活”を遂げた。術後のリハビリの日々には不安がいっぱいだったが、8月にツアーにカムバック。そして復帰8試合目、9月の「日本女子オープン」で優勝を遂げた。およそ2年振りの勝利が決まった瞬間、高々と右手を突き上げた。通算5勝のうち3勝が公式戦という“メジャーハンター”が再び日本一の称号を手にした。19年には畑岡奈紗、20年に原、21年からは勝みなみが連覇しており、5年連続で黄金世代が勝利した。
■TOTO優勝で米ツアー挑戦へ
涙の今季初優勝の先には、新たな未来が待っていた。日本で唯一開催される米国女子ツアー「TOTOジャパンクラシック」で稲見萌寧が優勝(通算13勝目)。この勝利により米ツアーメンバー入り&来季出場権獲得の資格が与えられ、これを行使することを決定した。主戦場を米国に移し、24年は“ルーキー”として新たな舞台に挑む。かねて『永久シード獲得』を目標に、日本ツアーをベースにすることを宣言していた稲見が新天地へ。東京五輪銀メダリストの実力者が、世界へと羽ばたいていく。
■スマイルキャンディが日本ツアー引退
ツアー通算21勝のイ・ボミ(韓国)が今年2月に突然、引退を発表。所属先が冠スポンサーを務める「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」をラストマッチとして、日本ツアーから引退した。予選通過とはならなかったが、最終日まで多くのファンが見守り、引退セレモニーでは涙と笑顔をあふれさせた。スピーチは感動に包まれ、その言葉はJLPGAアワードではメディア賞『ベストコメント』部門を受賞。さらに選手としては初となる『特別功労賞』が贈られ、惜しまれながらもファンに感謝の言葉を伝え続けた。
■馬場咲希らがプロテスト合格 QTではまさかの出来事も…
JLPGA最終プロテストに21人が合格。トップ合格を飾った高校3年生の清本美波を筆頭に、昨年の「全米女子アマ」で日本勢37年ぶりの優勝を遂げた馬場咲希、6度目の挑戦となった高木優奈、ママさんルーキーの神谷和奏らが新たな道を切り開いた。そのあとに行われたQTでは、韓国からきた新星ソン・ガウンが首位で突破した。一方で、QTを5位で通過していた現役高校3年生の菅楓華は、競技終了後にスコア誤記の過少申告が発覚。失格処分を受けて、QTランクは5位からQT出場選手中最下位の104位となった。
■QTランク下部からの下克上V
まさにシンデレラストーリーだ。開幕時のQTランクは181位で、下部ステップ・アップ・ツアーの出場権すらままならなかった山内日菜子が、地元選手として推薦出場した3月「アクサレディス」で劇的な優勝を飾った。これはQTが始まって以降、最もQTランクが低い選手によるレギュラーツアー優勝。『史上最大の下克上』となった。さらに、7月「大東建託・いい部屋ネットレディス」では、QTランク114位で今季開幕を迎えて下部ツアーが主戦場だった小滝水音が初勝利。こちらも大番狂わせを演じた。
■10代4勝は史上3人目 ダイヤモンド世代の“ステップ女王”が覚醒
昨年は下部ツアーで史上最多5勝を挙げ、今年からレギュラーに本格参戦した櫻井心那が勝ちまくった。7月「資生堂レディス」で初優勝を飾ると、約1カ月に1勝のハイペースで勝利を積み重ね、「富士通レディス」で4勝目。10代での4勝は宮里藍、畑岡奈紗に続く史上3人目の偉業となった。MRは5位につけ、年間獲得賞金は1億超え(1億1230万7733円)。勝負強さと抜群の存在感を発揮した。
■プロテストトップ合格の大器がメジャー含む2勝 初優勝者は9人
プロ1年目のルーキー・神谷そらが「フジサンケイレディス」でツアー初優勝。9月には公式戦「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯」を制し、メジャー優勝も達成した。ドライビングディスタンスでは歴代最長『260.82ヤード』を叩き出した若き飛ばし屋が、それを武器に大仕事をやってのけた。ルーキーで優勝を遂げたのは神谷のみ。今季初優勝を飾ったのは、神谷のほか、櫻井、岩井明愛、吉本ひかる、蛭田みな美など、昨年に並ぶ合計9人だった。
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