<スタンレーレディスホンダ 事前情報◇5日◇東名カントリークラブ(静岡県)◇6590ヤード・パー72>
2019年の今大会以来、4年ぶりのレギュラーツアー出場となる三浦桃香は「私の思い出に残る試合にしたい」と予選通過を目標に掲げた。三浦は3度目の挑戦だった19年末のプロテストで不合格となると、翌年には体調面などを理由に再受験を断念し、ツアー撤退を表明。その後、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)のティーチング資格を取得することで、同協会の会員となっている。
先週のステップアップツアー「SkyレディースABC杯」(予選落ち)にも出場していた三浦は「レギュラーツアーの選手ともちょこちょこ会っているので、久しぶりですごく緊張するという感じはないですね。先週の方が初めましての選手が多くて緊張していたかもしれません」。4年ぶりという感覚はなく「私にとっては1年ぐらいに感じてます」と笑みを浮かべた。
都内のゴルフスタジオや千葉県内のコースで行っているレッスンは抽選になるほどの人気ぶり。指導する立場となったことで、自身のゴルフにも変化が出てきたという。「今までは自分の感覚でやってきたので、スイングが悪くなった時にどう直せばいいか分からなかったんですけど、今はすべてを言語化して考えられるようになったので、いい状態に戻れるようになりました」。
プレースタイルも「真面目なゴルフ」に変わってきた。「左足下がりの200ヤードなんて、上手く打てる確率は低いんですけど、若い時は『イケる』と思って無理してきました。無謀な攻めは少なくなったと思います」。かつては飛距離を武器に波の激しいゴルフをする選手だったが、プレーに安定感が出てきたという。
レッスンラウンドやプロアマで、そんなプレーを見た周囲から「ツアーに出た方がいい」と背中を押されたことが出場を決めたきっかけ。「私自身はもう試合には出ないと決めていたんですけど、そう言ってもらえることで、そうかなと思い始めて、そんな時にこの試合のお話をいただきました」。レッスンなどの合間を縫って、直近の3カ月は可能な限り練習時間を作ってきたという。
目標は「予選を通過して3日間プレーすること」。昨年のこの大会のカットラインが1アンダーだったのに対し、三浦は先週のステップアップツアーで2日間バーディなしの予選落ち。予選通過には復帰初バーディが絶対に必要だ。
「自分の気持ちがゴルフに向いていない時期もあったんですけど、お仕事をしながら練習をしてきて、それがうまくいっても、悪い結果になっても、自分の記憶にはずっと残るんじゃないかと思います」。ツアーで結果を残せず苦しんだ以前とは違う。新たな気持ちで4年ぶりのレギュラーツアーに臨む。(文・田中宏治)